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大瀧雅寛 ↘

街角に建つ3階建て:コンセプト

〈9882〉

2017年10月から、工事が始まりました。県道と市道の角地に建つ、3階建ての住宅です。街角に建つ建物は、その街並みに対して「責任」を持ちます。車も人もたくさん通ります。狭くるしさを与えないように、交差点から建物を後退させました。大きなバルコニーが気持ち良さそうです。

街角に建つ3階建て:コンセプト

高さは9.5m、奥行きは約8.4m、間口は約7.5m。その立方体から、3階バルコニーと、玄関ポーチとを、くり抜いた形です(2017.10.16)

2017.10.16

建物の設計図では、立面図(建物の外観)を、東西南北の4面に分けて、

書きますが、実際には建物は、斜めに見えてくるのです。

立面図ではわかりにくい、その斜めの見え方を、模型で確認するのです。

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街角に建つ建物は、その町並みの風景を決定します。

その建物によって、その街並みの印象が決まってしまうからです。

町並みに対して責任を持てる、外観にしました。

「角地の見通しをよくするために、交差点から建物を、後退させる」

「交差点の角に向かって、大きなバルコニーを造り、高さを抑える」

3階建てなので、どうしても高くなってしまうのですが、

道ゆく人たちに、狭くるしさを与えないように、配慮しました。

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東面は、3階までの高さがあります。

この面は、バルコニーに対比させるように、フラットにしました。

点々とある小さな窓、どの窓がどの部屋なのか、わかりにくくしています。

3階から2階と降りていく出隅が、玄関の上に浮かびます。

一見、不安定に見える、出隅の処理の仕方は、ちょっとしたアイロニーです。

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3階には、10帖ほどのバルコニーがあり、2部屋に面しています。

気持ち良さそうですが、大切な役割があります。

火災など、万が一の緊急時に、このバルコニーに避難できるのです。

避難路として階段が使えない場合、まずは屋外に出られることが大切です。

これは、法的に要求されていること、ではないのですが、

3階に部屋をつくるとき、私は必須条件だと考えています。

また、部屋を通らなくても、階段室からバルコニーへのドアもあり、

日々の暮らしの中でも、便利な動線になっています。

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2階にもLDKから出入りする、バルコニーがあります。

リビングやキッチンからも、すぐにバルコニーに出て、外を眺められます。

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プランが確定すると、地盤調査を行いました。すると、すると、

3階建ての建物の建てるには、地耐力が十分ではありませんでした。

地盤面から5mほど下がらないと、安定した支持層が得られませんでした。

工事は、地盤改良工事から始まり、コンクリート製のH型杭を選択しました。


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