図面では決められないテーブル、現場に行く度に考える
〈9789〉
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何枚描いたとしても、図面上では決められないことがあります。このテーブルがそうでした。そんな時は現場で考えます。「ダンボール」をテーブルに見立て、現場に行く度に考え続けるのです。ダンボールの大きさ、窓からの位置、カーブの形状を描き直していき、テーブルの形状が決まっていきます。さて、こんな形になりました。
住設機器を梱包していた大きなダンボールを、L字型のテーブルに見立てました。テレビのつもりで、折りたたみテーブルを置きました。マンションなので、エレベータや階段からの搬入ルートの確認も大切です(2018.01.17)
2018.01.17
このテーブルは食事だけでなく、来客を招いたり、読書や勉強など、多目的に使われます。長い時間、向かい合うことになるので、テーブルの大きさだけでなく、その位置もまた重要だったのです。
テーブルはL字型なので、資料をたくさん広げて効率的な作業ができます。テーブルの素材は、ラバーウッド集成材です。L字型にするためには、45度に切断した2枚の集成材を、裏面で金物接合しています。左側のカウンターは、ノートパソコンを開いておきます。
入隅部分のこのカーブは、体とテーブルとの隙間を少なくするためです。半径を大きくしすぎると、テーブルの奥行きが深くなってしまうので、テーブルの奥まで手が届かなくなります。そのバランスをとりました。
テーブルの手前に住まいてさんが座るので、来客さんは窓側に座ります。窓からは作業の目を休めるのに、ぴったりな景色が広がっています。テーブルを検討していて、気づいたことがありました。
『窓に近ければいいというものではない』ということ。
あまり窓に近いと、明るさが変化しすぎるので、長時間の作業では、疲れてしまうからです。
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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
有限会社 大滝建築事務所 代表
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