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大瀧雅寛 ↘

スナフキンの水浴び小屋:ムーミン谷

〈9781〉

物語でのムーミン谷は、ムーミンたちが美しい自然とともに暮らす、のどかで平和な場所。埼玉県飯能市にあるムーミン谷も、たくさんの子どもたちが楽しそうな、平和なところ。ムーミン谷の小川の上に、青い小屋がポツンと浮かんでいます。スナフキンの水浴び小屋です。

スナフキンの水浴び小屋:ムーミン谷

スナフキンは、ムーミン谷の住人が冬眠に入るころに南へと向かい、春になるとムーミン谷へ戻って来ます。「一人旅」というものを知ったのは、スナフキンからなのでした(2018.01.25)

2018.01.25

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今、思い出すと、週末のお茶の間、テレビで観ていたムーミンは、面白くないと思っていながら、毎週欠かせずに観ていたのはなぜでしょう。

最近感じるのですが、ムーミンは日本のサザエさん一家のように、ちょっと複雑で個性的な仲間との絆物語と、とれるのかもしれません。

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自由でおおらかで、お互いを尊重する、居心地のよいムーミン谷。その谷で一番大きい建物が、このムーミン屋敷です。外からやってくるどんなに変わったお客さまでも、ムーミン一家は、歓迎してくれるそうですよ。


snufkin

思索を好む放浪者。ハーモニカを吹き、釣りをし、世界中を旅します。身軽に生きて行くことを好むスナフキンの荷物は、リュックサックひとつのみ。必要なものが全て入ったこのリュックサックをもって、どこへでも出かけます。

ムーミン公式サイト / スナフキン

気楽な日々を過ごしながらも、人生のいろんな物事を考えるのが好き。人に対する深いやさしさを持つ。人嫌いな訳ではなくても一人旅が好き。スナフキンは、「男はつらいよ」の、寅さんのようですね。

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「家ってやつは、どいつもこいつも、気にいらないな」と、ミニマリストのスナフキンは、「家」に縛られることも嫌います。

ですので、この青い小屋は、スナフキンの家と言うよりも、ムーミン谷で春から夏にかけて過ごす、別荘に近いようです。

スナフキンは気楽にすごしながら、人生のいろんな物事を考えるのが好きです。スナフキンは、初めて出会う人や、出来事全てに好奇心と暖かい心をもって接します。

ムーミン公式サイト / スナフキン

おこってなんかいないで、おりてこいよ。ぼくたち、とってもおもしろいことをはじめるんだぜ

トーベ・ヤンソン『たのしいムーミン一家』 講談社 2011

スナフキンのもとには、いろいろな住人が勝手な理由で訪れますが、スナフキンは、しぶしぶでありながらも、いつも受け入れていました。


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「旅」という非日常は、「日々の暮らし」という日常で支えられています。私たちは一生のうち、どのくらい建物の中にいるのでしょうか。一生のうち、どのくらい「家」の中にいるのでしょうか。


『船は港にいる時が、一番安全であるが、それが船の目的でない』と、何かの本で読みました。「船」は「家」と似ていますね。


なるほど、「家」に居ることが、人生の目的ではありませんが、「家」があるからこそ、人生の目的を達成できるのでは、と考えています。そんなことを心の片隅に置いておくと、どこかがちょっと違う図面が、書けそうな気がするのです。

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