渡り廊下の本棚付きオーディオラック・1
〈9698〉
https://anity.ootaki.info/9698/
2階建ての戸建て住宅であれば、『1階には玄関・LDK・水まわりをつくり、2階には何部屋かの寝室をつくる。そして、LDKをできるだけ広くすることを優先する』というのが、一般的な空間構成ではないでしょうか。『住まいづくり』、私はこの言葉が大好きです。その『住まいづくり』を再考したとき、当然と思われている、この空間構成に疑問を持ったのです... 。さて、こんな出だしで本題である「渡り廊下の本棚付きオーディオラック」まで到達できるのか、すでに今から不安になってきました。
住まいてさんの住まいづくりに、あまり役に立てなかったとしても、私たちでなければできなかった仕事ができた時に、この仕事の達成感を感じます。すみません、今日の私は『建築家』をさせて頂きます(2018.04.18)
2018.04.18
住まいてさんと一緒に土地探しを始めて、1年ほど経ってしまいましたが、
ですが、待ったかいがありました。住まいてさんが選んだ土地は、
東西南北どの方向にも、遠くを眺める窓を作りたくなってしまうような、
気持ちの良い景色に囲まれた、『設計がとても難しそう』な敷地でした。
設計当初、住まいてさんご夫婦と、この敷地を訪れて、
『さて、どんな家がいいですかね〜』などと話しているひとときが、
住まいづくりの一連の流れの中で、一番楽しいものです。
そんな、打ち合わせが続いていく中、このお住まいで大切にすべく、
『核』となる設計方針が、心に浮かんできました。
それは、「住まいの中に『別荘』をつくる」というものでした。
平日はご夫婦ともお仕事があるので、1階だけで完結する間取りにして、
コンパクトに暮らせることを優先する。ですが、週末の休日には一転し、
2階につくったご夫婦、それぞれのアトリエで、自分の創作を深められる、
そのアトリエを、リビング上部の吹き抜け越しに、向かい合わせたい。
いわば、『1階には住み、2階では深める』ような空間構成が、
この住まいてさんご夫婦には、ぴったりしているように思えたのです。
なるほど、平日の共働きなど、この住まいてさんに限ったことでは、
もちろんないのですが、住宅設計というのは不思議なもので、
『住まいてさん』がいて、『敷地』がある。
『住まいてさん』 × 『敷地』と、掛け合わせたときには、
何か、『化学反応』のようなものが、あるようなのです。
ですので、設計をするという行為は、『創造する』というよりも、
『その現象を観察する』という方が、より近いものなのかもしれません。
... などと書いたところで、記事の方向を見失ってしまいました。
次回に続きます... 。
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