段差のある玄関室に、応接機能を持たせたい
〈9608〉
https://anity.ootaki.info/9608/
このお住まいは、車いすが行き来しやすい様に、門扉から続くアプローチから、タイル貼りの玄関ポーチ、そして玄関室内のタイル貼りの土間までがフラットになっています。ですが、土間の高さを下げてしまったために、上り框は大きな段差となってしまいました。そこで玄関室では、「段差リフト」と、その脇に置いた踏み台で、38cmの段差を昇降することになりました。
段差リフトをフローリングの高さまで、上昇させた状態です。この玄関室では、簡単な接客ができることも考えました(2018.10.04)
2018.10.04
玄関扉の開口に合わせて、リフトの中心を合わせました。リフトからは広い廊下を通り、リビングまで直進できます。
2段の踏み台の奥、玄関収納の下部に、リフトを昇降させるための、油圧ユニットが収納されています。
車いすでない場合は、右側の踏み台から上がるので、下駄箱には、長い手すりを取り付けました。
段差リフトは上昇していくと、フローリング面の高さで自動的に停止します。リフトと上がりかまちとの隙間は、1cm程です。
段差リフトの昇降スイッチは、2箇所あります。リフトのスイッチは、手すりについています。もう一つは、廊下の壁についています。
各種のスイッチは、この壁面にまとまっています。左上の白いプレートは、照明のスイッチです。その下の金属プレートは、段差リフトのスイッチです。
右上の白いプレートのスイッチは、玄関扉のスイッチです。タイル土間までに降りずに、玄関扉の鍵を施錠解錠できます。
玄関を利用するのは、住まいてさん家族だけではありません。
以前に比べれば少なくなったとはいえ、住まいには、ご近所さんを始め、様々な来客があるものです。壁を背に置いたベンチは、そんな来客さんのためのものです。
正面に見える引き戸は、昭和の格調の高い応接間です。その応接間に上がってもらうまでもない、簡単な接客なら、この玄関室で対応できる様にと、考えました。
タイル貼りのリフトは「目立たないバリアフリー」です。来客をお迎えした時も、リフトに気がつく方は少ないそうです。
「いかにもバリアフリー」とならないこと。バリアフリー住宅の目指す所は、バリアフリー住宅らしくないことです。
https://anity.ootaki.info/9608/