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大瀧雅寛 ↘

背もたれ付き入浴台を、ユニットバス全面に・2

〈9473〉

車いすユーザーから入浴のご要望をお聞きする時は、「浴槽に入りたい」のか、「シャワー浴だけでいい」のかを、お尋ねすることから始まります。この住まいてさんは、「浴槽には入らず、シャワー浴だけでいいので、脚を伸ばしてゆったりと入浴したい」とのことでした。

背もたれ付き入浴台を、ユニットバス全面に・2

このお住まいの賃貸マンション改修は、浴室の全面に移乗台を設置しました( 2019.04.22)

2019.04.29

背もたれ付き入浴台を、ユニットバス全面に

標準的な大きさのユニットバス、1216タイプ(120cm × 165cm)でした。シャワー水栓は洗い場と浴槽の、両用できる位置にありました。

洗い場だけに入浴台を造り、浴槽はそのままにする方法もありますが、浴槽があると、洗い場から浴槽に転落してしまうことがあり危険です。

入浴台は浴室全面となる様に、洗い場だけでなく、浴槽の上にも設置することになりました。

背もたれ付き入浴台を、ユニットバス全面に

また、背もたれに寄りかかり、両足を「ハの字」に開いて、姿勢を安定させるためには、洗い場だけの入浴台では足りませんでした。

背もたれ付き入浴台を、ユニットバス全面に

背もたれと壁との隙間を、12cmとっています。背もたれの上から、壁との隙間に腕を落とし、背もたれに、体を引き寄せるためです。

背もたれ付き入浴台を、ユニットバス全面に

ユニットバスのドアは折れ戸でしたが、入浴台とぶつかってしまいます。折れ戸を取り外し、入浴台の設置後、シャワーカーテンを掛けます。

背もたれ付き入浴台を、ユニットバス全面に

入浴台は6分割にしました。左側の3組は、浴槽の上に設置した入浴、右側の3組は、洗い場の上に設置した入浴です。

背もたれ付き入浴台を、ユニットバス全面に

ユニットバスと洗面室との段差は、25mmありました。車いすの前輪が、ユニットバスの中にまで入るので、この段差の前に、スロープを設置します。

背もたれ付き入浴台を、ユニットバス全面に

車いすから入浴台に、移乗しやすくする工夫も必要です。入浴台の高さを、車いすの座面の高さに合わせるだけでなく、車いすのフレームがぶつからない様に、切り欠きを入れました。

背もたれ付き入浴台を、ユニットバス全面に

賃貸マンションなので、バリアフリーリフォームも、退去時には現状復帰しなくはならず、それを見据えた工事となりました。

マンション選びのポイントは、エントランス回りの行き来しやすさだけでなく、水回りのレイアウトも大切なのだと実感しました。

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