「重さ」という隠れたバリアをなくすこと
〈9921〉
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よくテレビのニュースでも、「バリアフリー」が単に「段差がないこと」を指しているのに、ちょっとがっかりします。住まいの中で、見過ごされがちな「隠れたバリア」って、意外とあるものです。そのひとつは「重さ」というバリア、掃き出し窓を開け閉めしやすくするための、窓やガラスの「重さ・軽さ」のことなどです。

窓の開け閉めのしやすさは、住まいてさんとの打ち合せでは、なかなか伝わりません。設計中に、この住まいてさんを、他の住まいてさんのお宅にお連れし、実物で確認してもらいました(2017.09.07)
2017.09.07
リビングなどの掃き出し窓は、明るさやデザインを優先するならば、
幅を2.6mと広くし、高さも2.2mと高くしたいところです。
この住まいではあえて、1.6mと狭い幅に、高さも2.0mに抑え、
掃き出し窓の「開け閉めのしやすさ」を、優先したのです。

住まいの断熱性能を高めるために、最近では、窓ガラスはペアガラスを使います。
ガラスという素材は、透明なためか、見る分には重さを感じませんが、
いざ、持って見ると、とても重たいものです。
ペアガラスは文字通り、ガラスが2枚になっているので、重さが2倍になります。
このお住まいでは、ペアガラスを使わずに、1枚ガラスにすることになりました。
掃き出し窓の「断熱性能」より、「開け閉めのしやすさ」を、優先したのです。

窓ガラスを上下に分割するアルミ部材を、「中サン」と言いますが、
この「中サン」は、ガラス越しの景色も、上下に分割してしまいます。
通常使われている5mm厚のガラスであれば、「中サン」が不要ですが、
このお住まいでは、薄い3mm厚にしたので、「中サン」が必要になります。
通常は「中サン」の高さは、床から90cmほどにしますが、
その高さでは高いように感じました。
そこでテーブルの高さと同じ、床から70cmにしたたところ、
見える線が揃い、すっきりとしました。うまくいきました。

この工夫により、リビングからデッキに、気軽に出られるようになりました。
ガラス越しに「見る庭」と、デッキに出て「感じる庭」とでは、
ずいぶんと違うものだと、住まいてさんに教わりました。
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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
有限会社 大滝建築事務所 代表
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