跳上げ式の移乗台、家族で共用するバリアフリーなトイレ・1

マンションの１帖に満たないトイレです。トイレは洗面室の中にあり、スペースを広げることはできません。住まいてさんからのご要望は、車いすから便器に乗り移り、両足を伸ばせるような、「移乗台」が必要とのことでした。ですが、そんな「移乗台」は、他の家族が使う時には、邪魔になってしまいます。そこで、トイレを家族みんなで共用できるような、「跳ね上げ式の便器移乗台」を考えました。

家族で共用するトイレに、移乗台に取り付けました。台を下げ移乗するときの状態（左側の画像）。台を上げ収納した状態（右側の画像）（ 2018.03.23）

2018.03.23

便器移乗台は滑りやすいよう、クッション入りのビニールレザー張りにし、オシリにやさしいようにしました。便器の左右１組は固定しています。便器の手前部分が、左側に跳ね上げられる「可動式」となっています。

トイレのドアは、家族と共用するため取り外していません。車いすから便器移乗台に移乗すると、足が飛び出してしまい、ドアを閉めることが、できなくなってしまうので、ドア内側に取り付けたカーテンを閉め、トイレを使います。

製作の途中の画像ですが、さながら原寸大の模型のようです。こうして出来あがってみると、簡単なように見えてしまいますが、スケッチをもとに工房で製作しながら、詳細を考えていきました。

住まいてさんの「使い勝手」を思い浮かべながら、設計のアイディア、施工のアイディアを組み合わせ、製作していくことが、私たちが最も得意とするところです。

ヒモを引っ張り移乗台をゆっくりと下ろすために、台の重みと釣り合う「特殊な丁番」を選びました。

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