マンション選びのポイントは、広くなくても「横向きトイレ」
〈9612〉
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住まいてさんがマンション選びで大切にしたのは、トイレの長辺が廊下に面している「横向きトイレ」であることでした。片開きドアを3枚引き戸に造り替えると、開口幅が79cmと広くなりキャスター付きの椅子で入れる様になりました。広くなることだけが長所でなく、戸を右側から開けると便器横からの介助がしやすくなります。この様に使えることも横向きトイレの長所です。

#車いすユーザーの賃貸マンションリフォーム #ひとりひとりに合わせたバリアフリー
2018.09.28
住まいてさんの室内での移動方法は、車いすでなく、キャスター付きの椅子を脚でこぐので小回りがきき、車いすほどの回転半径を必要としないとのことでした。

既存の開き戸は開口幅(65cm)が狭かったので、3枚引き戸に造り替えました。開口幅が、79cmと広くなり、キャスター付きの椅子で入れる様になりました。
また3枚引き戸の長所は、1枚あたりの建具が軽くなること、「2通り」の開き方ができることです。

通常の入り方は、3枚引き戸の左側からトイレに入ります。大型ハンドルの断面形状は「三角形」になっていて、角に指がかかりやすく、開けやすくなりました。

また、3枚引き戸の右側を開けると、横からのトイレの介助がしやすくなります。

「トイレから立ち上がりやすくしたい」とのことでした。便器正面に手すりを高め(床から122cm)に取り付け、便器側面には、手すりを兼ねた収納を取り付けました。出隅を丸くしたカウンターは、肘を載せやすい高さ(床から95cm)です。

便器側からはこうなります。正面の手すり、脇のカウンター、それぞれ立ち上がり際に、最も適した高さにしました。

手すり側からはこうなります。カウンターは、出隅をカーブにしたのは、体がぶつからない様にするためです。

さらに、トイレから立ち上がりやすくするために、「昇降便座」を取り付けました。スイッチ操作(リモコン)で便座が昇降する「昇降便座」が、立ち上がりをサポートしてくれます。

前方に傾きながら、ウォシュレットごと昇降します。ウォシュレット下の袋を、空気で膨らませ、便座の後端が16cm上昇します。
上昇すると便座は、11度前傾するので、不安を感じるひとがいるかもしれませんが、この住まいてさんは問題ありませんでした。
この昇降便座は、工事直前に製造中止になりましたが、流通在庫で確保できました。

今回のリフォームでは、市役所の障害者助成金を活用しました。住まいてさんは、車を運転する方でしたので、障害者用駐車場があり、エントランスに近い、その駐車場を利用できたことも、このマンションを選んだ理由だったそうです。
最近のマンションは、エントランス周りの段差がなくなり、車いすでの行き来で困ることはなくなりました。また、住戸の玄関での段差も10cm以下と低くなり、スロープを設置する程度で対応できます。トイレは廊下に対して、直角に面している間取りが多く、横向きトイレは意外と少ないのでした。
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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
有限会社 大滝建築事務所 代表
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