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大瀧雅寛 ↘

玄関(マンション)の段差解消は可変性を持たせること

〈9590〉

マンションリフォームした、お住まいの玄関コーナーです。室内の床を延長する様な木製の踏み台を、あえて置いた理由があります。それは、将来、住まいてさんが車いすを使うこととなった時、この踏み台を外して、スロープに置き換えるためです。「将来への準備」が、バリアフリー住宅の隠れたポイントです。

玄関(マンション)の段差解消は可変性を持たせること

高齢の住まいてさんのマンションリフォームです。玄関(マンション)に置いた、設計ミスのように見えてしまう、木製の踏台です(2018.07.08)

2018.07.08

玄関(マンション)の段差解消は可変性を持たせること

2011年の東日本大震災の時、住まいてさんは上野にいたそうですが、上野からさほど遠くない、この自宅に帰ることができず、上野の東京文化会館で、一夜を過ごしたそうです。

翌日、やっとの思いで、この玄関のたどり着いた時の安堵感が、どれほどのものだったかと、お話しくださいました。


もうひとつ、踏み台と可動式スロープを組み合わせた、お住まいです。

玄関(マンション)の段差解消は可変性を持たせること

22cmの上がり框の段差がある、マンションの玄関です。段差が無くすがベストなのですが、リフォームではなくせませんでした。踏み台を置いて、その高さを2段で上がります。正面の3枚引き戸は、どちら側にも開閉できます。

玄関(マンション)の段差解消は可変性を持たせること

車いすで出入りするときは、踏み台の上に可動式のスロープを渡します。スロープは、アルミ製の2分割タイプで軽量なものを選びましたが、住まいてさんには不評でした。

玄関(マンション)の段差解消は可変性を持たせること

傾斜が「1:5」なので、車いすの後ろから押すのには力がいるのですが、スロープ間の隙間を、車いすを押しながら歩くことができないとのこと。結局、やや重たくなるものの、1枚タイプのスロープに交換しました。

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