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大瀧雅寛 ↘

座面の高い車いすユーザーの、トイレのバリアフリーリフォーム

〈9589〉

リハビリテーション施設に入所中の方から、トイレのバリアフリーリフォームを依頼されました。住まいてさんは、脊髄損傷の車いすユーザーです。住まいてさん、担当のリハスタッフの方と相談しながら、トイレ動作を検討し、退所後にお帰りになる、ご自宅のトイレを考えました。

座面の高い車いすユーザーの、トイレのバリアフリーリフォーム

このお住まいのトイレは、腰板に天然木を貼った明るい居心地の良い空間です(2018.07.10)

2018.07.10

最初は、リハビリ室での動作確認です。住まいてさんから要望を聞き、便器への移乗の動作をチェックしました。

「腕の力を最大限に利用したい」「車椅子の高さと便座をそろえたい」との、ご要望でした。

座面の高い車いすユーザーの、トイレのバリアフリーリフォーム

住まいてさんは、車いすを便座に直角の角度で近づけ、体を浮かせるように移乗します。

リハビリ室の「プラットホーム」と「平行棒」を使って、手すりの高さや手をつく位置を確認し、工事を始めました。


ご自宅のトイレには、2組の可動式手すり、1組の壁付け手すりの、3組の手すりを取り付けることになりました。

座面の高い車いすユーザーの、トイレのバリアフリーリフォーム

便器への移乗の邪魔にならない様に、スイング式手すりを選択しました。これには便座に近づく角度の、自由度を残しておく意味もありました。

ただ、可動式の手すりには、操作性に難点あります。手すり自体が重いので、可動しにくく感じる方もいらっしゃいます。

座面の高い車いすユーザーの、トイレのバリアフリーリフォーム

手すり以外に、配慮したことは、便器の座面の高さについてでした。住まいてさんは背の高い方なので、車いすの座面の高さも高めでした。

車いすと便座の高さを揃えると、便器のかさ上げが必要でした。便器のかさ上げをすると、床に足が届かなくなってしまったので、便器の前には、移乗の際の足載せ台(市販のすのこ)を置きました。

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