シャワーチェアーに腰掛けた姿勢から浴槽に入る
〈9532〉
https://anity.ootaki.info/9532/
私にとってバリアフリーのご意見番であり、車いすユーザーの住まいてさんです。浴槽へは、「いったん浴槽のヘリに、腰掛けてから浴槽に入りたい」とのことでした。そのために特別なユニットバスではなく、シンプルなものを選び、「シャワーチェアーを賢く使いこなすこと」で対応したそうです。
「1416」サイズのユニットバス(浴室)です。浴槽での入浴だけでなく、シャワー浴もできる様に、シャワー・ド・バスを取り付け、出入口は3枚引き戸にし、開口幅を広くすることができました(2018.11.29)
2018.11.29
一見するとどこにでもありそうな、シンプルなユニットバスです。
「バリアフリーにする」ということは、必ずしも特別なものに、
するのではなく、あえて「シンプル」にする方法もあります。
大きさは「1416」サイズ、内のり「140cm x 160cm」です。
住まいてさん本人と、介助者とで入ることのできる大きさです。
いくつかある浴槽の中で、この浴槽を選んだ理由は、
浴槽のフチの厚さが、この様に薄くなっているからでした。
フチが薄いので、またぎやすくなり、掴みやすくもなります。
浴槽のヘリに、腰掛けてから浴槽に入るためには、
この回転式のシャワーチェアーが、重宝するとのことでした。
丸い座面に座ったまま回転し、片足ずつ浴槽に入ることができます。
この回転式のシャワーチェアーは、腰掛ける際には回転せず、
座面の中央に腰掛けた時だけ、回転する様になっていて安全です。
この回転式のシャワーチェアーには、手すりが付いている型もあります。
ですが座った姿勢を保ちやすくなる代わりに、浴槽に打つからない様に、
回転座面を離して置くことになるので、浴槽に入りにくくなるそうです。
なので、住まいてさんは、手すりが付いているものではなく、
手すりのないシャワーチェアーを、常用しているそうです。
手すりが付いているものは、洗面器台として利用しているそうです。
座面の高さは調節することができ、浴槽の高さに合わせられます。
実際の浴槽への入り方を、住まいてさんに教えてもらいました。
丸い座面に座ったまま回転し、片足ずつ浴槽に入ります。
右足を浴槽内に沈めてある、浴槽いすの上に置き、
左足は浴槽の上に置く様に、入っていくそうです。
まずは、浴槽いすに腰掛けての半身浴、体が温まってきたら、
座っている浴槽いすを、背中の方に移動させて、
浴槽の底に腰掛けて、ゆったりと入浴するそうです。
このお住まいの様に、シンプルなユニットバスでも、
「シャワーチェアーを賢く使いこなすこと」で、住まいてさんに、
ぴったりな入浴で、1日の疲れがとれているとのことでした。
また、もう一つ大切なことがあります。
「加齢による身体機能の低下も考えておく」ことです。もしかすると、
将来、つり下げリフトを利用することに、なる可能性もあるでしょう。
シンプルな浴室にしておけば、その時も幅広く対応できそうです。
バリアフリーに大切な、「可変性」を高めることができました。
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