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キッチンを隠しきらない、間仕切型の造り付け食器棚

〈9373〉

LDKを間仕切るように両面から使う、幅:223cm、高さ:180cmの間仕切型の造り付け食器棚です。当初、既成の食器棚を置く予定でしたが、壁付型に比べると間仕切型食器棚は種類がとても少なく、造り付け食器棚として製作することになったのです。

キッチンを隠しきらない、間仕切型の造り付け食器棚

キッチンレイアウトは「対面型キッチン」が多いのですが、LDKを狭くしてしまいます。「対面型食器棚」にして、LDKを広く使えるようにしました( 2019.12.23)

2019.12.23

既成の食器棚に対し、造り付け食器棚は決めることが多く、住まいてさんと相談をしながら、かたちを決めていきました。

キッチンを隠しきらない、間仕切型の造り付け食器棚

まずは食器棚の外形を決めました。リビング側から見た時、キッチン全体を隠すのではなく、「キッチンを隠しきらない」大きさにしました。食器棚の色を、システムキッチン同様にホワイトにしたのも、できるだけ「存在」を消したかったからです。

キッチンを隠しきらない、間仕切型の造り付け食器棚

システムキッチンは、LDKの北側壁面に取り付けました。高い位置の収納は使わなくなってしまうので、つり戸棚はありません。システムキッチンと食器棚は、1m離れて向かい合います。

キッチンを隠しきらない、間仕切型の造り付け食器棚

キッチン側から背の高い部分を見ると、左側は両開きの食器収納で、両開き扉は左右の幅を変えた親子開きです。右奥は調理家電スペース、その上に引き違い扉の食器収納です。

キッチンを隠しきらない、間仕切型の造り付け食器棚

食器棚の下部は、向かって左から、ごみ箱スペース、収納、炊飯器スペースになっています。

キッチンを隠しきらない、間仕切型の造り付け食器棚

収納は引き違い扉にしたので、車いすでも寄り付けます。炊飯器スペースはスライド式の棚で、炊飯器を使う時には手前に引き出して使いうので、こちらも車いすでも寄り付けます。

キッチンを隠しきらない、間仕切型の造り付け食器棚

ごみ箱スペースには、ワゴン式の 3連ごみ箱を置きます。ここならリビング側からも、側面の廊下側からも隠せます。ふたつ並べた引き出しの上のカウンターは、配膳台として利用します。

キッチンを隠しきらない、間仕切型の造り付け食器棚

食器棚の奥行きは、下部は 51cmですが、上部は 39cmと浅くしました。12cm浅くした理由は、両開き扉を開いた時、キッチン側に出過ぎないようにするためと、12cmの部分のカウンターの縁を、手すり代わりに利用するためです。

キッチンを隠しきらない、間仕切型の造り付け食器棚

カウンターに置いたものを、リビング側から見えないようにしたいので、立ち上がりを付けました。食器棚の出隅になる部分を面取りして、身体にぶつからないようにしました。

キッチンを隠しきらない、間仕切型の造り付け食器棚

キッチンが玄関から離れた位置にある間取りになってしまったので、キッチンから廊下や階段、水回りスペースに行きやすくすることも考慮した、間仕切型の造り付け食器棚になりました。

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