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大瀧雅寛 ↘

書院造りの茶の間、珪藻土で風格を保つ

〈9330〉

風格のある和風住宅全体を、耐震補強、断熱補強リフォームしました。住まいて家族さんが集う茶の間は、 7帖の書院造りでした。珪藻土塗りで風格を保ちながらも、日々の暮らしを快適ことを大切にしました。

書院造りの茶の間、珪藻土で風格を保つ

珪藻土(内装材)塗りで風格を保ちながらも、日々の暮らしを快適ことを大切にしました。リフォームは工事が進んでいくにつれ、臨機応変な木工事も求められます( 2020.07.10)

2020.07.12

書院造りの茶の間、珪藻土で風格を保つ

茶の間の全体の広さは 8帖ですが、そのうちの 1帖分が床の間なので 7帖になりますね。床の間の脇が地袋に繋がる、実用的な書院造りです。この美しい形は、以前のまま残しました。

書院造りの茶の間、珪藻土で風格を保つ

「書院」とは、床の間側面の外部に面する面を、出窓のように突き出したも形です。昔はここで読書したり、手紙を書いたりしたそうですが、それが様式となり、現在に続くことになりました。

書院造りの茶の間、珪藻土で風格を保つ

檜(ひのき)、杉、欅(けやき)、米松。材種を揃えるのではなく、適材適所で材種を選びました。

書院造りの茶の間、珪藻土で風格を保つ

真新しい床柱は檜(ひのき)の18cm角、床柱の背面の壁を耐震補強しました。無垢材なのか新建材なのかが、とかく話題になりやすいのですか、『木工事』こそが大切です。リフォームは工事が進んでいくにつれ、臨機応変な木工事も求められます。

書院造りの茶の間、珪藻土で風格を保つ

以前、この茶の間は続き間で、この壁全面に 4枚の襖が入っていました。襖を撤去し耐震壁としました。以前の面影を残すべく、長押を残しました。大きくなる壁に仕上げは、珪藻土塗りとしました。

書院造りの茶の間、珪藻土で風格を保つ

住まいてさんは、古い民具を大切にしていたので、京壁塗りで仕上げることが多いのですが、珪藻土塗りの方が相応しく感じました。

書院造りの茶の間、珪藻土で風格を保つ

ただ 2間続くこの壁面を、横の櫛目で連続させる仕上げは困難な施工でした。こてを止めた所で櫛目が止まってしま うからです。ふたりの左官職人の技により、美しい仕上がりになりました。

書院造りの茶の間、珪藻土で風格を保つ

欄間(らんま)は、隣り合う部屋どうしの、採光、通風の役割から解放され、額縁の中の絵のようにそなえられました。

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