「Lights ~ 愛しい光たち」24作品と、粉川江里子の代表作
〈9511〉
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例えば人物画の場合、モデルの内面や生き方を描き出すことが、よい作品の条件、そしてよい画家の条件なのだと、私は今まで考えていました。ですが、粉川江里子さんの油彩画展「Lights ~ 愛しい光たち」の作品を前にして、私は、それとは異なるものを感じていたのでした。
この記事の作品の画像は、粉川江里子さんの twitterから頂いたものです( 2018.12.25)
2018.12.25
淡い色調に包まれた女性たちが、一瞬の幻を思わせるような非日常の世界を作り出しています。
美岳画廊 八丁堀ギャラリー(2018年12月21日→ 26日)
粉川さんの油彩画展が、美岳画廊で開催されていることを知り、直前まで行くのかためらっていましたが、行くことにしました。行くからには必ず、粉川さんとお話をしようと決めていました。
粉川さんとモデルさんと、お話をする幸運に恵まれました。嬉しくて、もっとたくさんお話したかったのですが、私は長居せずに、画廊を後にしました。
それは、他の来場者さんたちに、迷惑だと思っただけではなく、何よりも早く、自分の気持ちを書き起こしたかったからでした。
この画廊の中にいて、懐かしさ、暖かさを感じたのはなぜなのだろう。
人物画の場合、モデルの内面や生き方を描き出すことが、よい作品の条件なのだと、私は今まで考えていました。ですが、この油彩画展の作品からは、それとは異なる感動がありました。
粉川さんの作品から、私が感じたイマージュ。それはモデルの内面というよりは、モデルを優しく包むもの、暖かく見守ってくれているものの、存在なのでした。
優しく包むもの、暖かく見守るものどうしは、つながっていて、私を見守ってくれているものとも、つながっていて、きっと、ひとつのものなのでしょう。
私たちはみな、つながっているのでしょうか。私には、粉川さんが、そんな奥深くを見つめているように思えたのです。
この24作品全て、ひとつひとつの中に、粉川さんがいるのです。
そして私は、こうも思いました。
芸術は、「無」から「有」を生み出すのではない。
芸術は、「有」から「有」を生み出すのだ。
いわば「苦難」のような、マイナスと思われることからでさえも。
そして、この粉川さんの油彩画展「Lights ~ 愛しい光たち」に、
もうひとつ、25点目の作品があることに、私は気付いたのでした。きっとその作品が、粉川さんの代表作なのでしょう。
画家、粉川江里子さん、ご自身です。
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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
有限会社 大滝建築事務所 代表
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