道先案内人に、行き先をたずねたかった春
〈9466〉
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春になると現れる、虹色の背中が美しいハンミョウは、人が近づくと飛んで逃げ、少し先に着地して後ろを振り返る、そんな行動を道案内にたとえ、「ミチシルベ」「ミチオシエ」という別名があるそうです。そう言えば私はこの年の春、道先案内人の登場を切望していたことを思い出しました。

横浜最大の森林で、2011年春に撮影したハンミョウの画像を見ていたら、道先案内人の登場を切望していたことを思い出しました。点と点をつなぐ、今でもつながっています( 2019.05.03)
2019.05.04

横浜市の南端、鎌倉市との境にあり、周囲の市民の森と一体となって横浜最大の森の一角に、横浜自然観察の森はあります。入口は何カ所かあり、私は間違えて隣接する、上郷・森の家に入ってしまい、その奥にある、「森の家口」から入りました。

初めての散策地、立派な入口を入った途端こんな様子、聞く人もなく慌てました。森の中からは、うぐいすや野鳥の鳴き声が聞こえてきます。
右手の樹の枝の上にリスでしょうか、やわらかい「おっぽ」が、逃げて行くのが見えました。

散策路が、アスファルト舗装道になりました。
「チョットコイ、チョットコイ」と、さきほど見かけたコジュケイが鳴き始めました。

樹々の影の間の路面の日向のところで、何か七色に光が動いています。虹色の背中が美しい、ハンミョウでした。

人が近づくと飛んで逃げ、少し先に着地して後ろを振り返る、そんな行動を道案内にたとえ、「ミチシルベ」「ミチオシエ」という別名があるそうです。

ですがハンミョウは、路面を横切るグレーチングの隙間から、下の側溝の中へと落ちてしまいました。

2011年、この年の春、私に限らず多くの人はきっと、道先案内人の登場を、切望していたことでしょう。

側溝の中から何事もなかった様に、上がってきたハンミョウは、
また、私の道案内を始めてくれました。肉食性だからでしょうか、頑丈な口に驚きました。頼りがいのあるハンミョウでした。

虹色の背中を追いかけて行けば、行くべき道を進むことができる、2011年の春から、2019年の春まで、点と点はつながっています。この先もずっと、点をひとつでも多く、つなげていきたいのです。
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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
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