保育室を2分する、間仕切り本棚〈9980〉

美術館でモンドリアンの作品を初めて見た時、少し驚きました。何で、こんな誰にでも描けそうな作品が展示されているのだろうと。けれども、このシンプルな構成の中に、何か大切なことが隠されているような気がして、それを発見したくなりました。

保育室を2分する、間仕切り本棚

モンドリアンの「Tableau I, 1921」と、幼稚園の大きな保育室を2分する間仕切り本棚(2017.07.10)


白地のキャンパスに、黒い直線を垂直に水平に区画された四角を、

3原色で構成する「グリッド・スタイル」は、1920年頃から、

モンドリアンの作品に現れるようになりました。

ピエト・モンドリアン

19世紀末-20世紀のオランダ出身の画家。ワシリー・カンディンスキー、カジミール・マレーヴィチらと並び、本格的な抽象絵画を描いた最初期の画家とされる。

初期には風景、樹木などを描いていたが、やがて完全な抽象へ移行する。有名な『リンゴの樹』の連作を見ると、樹木の形態が単純化され、完全な抽象へと向かう過程が読み取れる。

水平と垂直の直線のみによって分割された画面に、赤・青・黄の三原色のみを用いるというストイックな原則を貫いた一連の作品群がもっともよく知られる。

ja.wikipedia.org/wiki/ピエト・モンドリアン


トップライトに直行する、広い保育室を2分する間仕切り本棚の、

デザインのモチーフに選んだのは、「Tableau I, 1921」でした。

単純な組み合わせに見える、この間仕切り本棚から、

子どもたちに、何かを発見してもらいたいと考えました。

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幅120cmの本棚は、黄金比と正方形を基準にしています。

その6組の本棚を連結させました。

それぞれの本棚は、少しずつ形を変えてあります。

右側からふたつ目が、「Tableau I, 1921」と同じ形、

一番右端は、その反転になっています。


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オランダと言えばチューリップ。

垂直線と水平線のみで構成された一連の作品は、

オランダのチューリップ畑を俯瞰しながら、

着想を得たのではないでしょうか。


「ストイック」という言葉は、最近聞かなくなりましたよね。

バブル時代の頃の、流行だったのでしょうか。

私が持っている「ストイック」のイメージは、

このモンドリアンと、あのコンクリート打放しなのですが... 。