部屋の隅に窓を寄せる「コーナー開口」〈9969〉

部屋の窓の位置は、なんとなく壁の真ん中あたりに、つくることが多いようです。しかし、自分が設計してきた住まいを振り返ると、部屋の隅に寄せてつくる「コーナー開口」が多いです。その部屋の印象は、壁紙などのインテリアだけではなく、窓の大きさや位置により決まります。

部屋の隅に窓を寄せる「コーナー開口」

この建物は、屋上に建てた天体観測室です。外観を面白い形をにして、その形が内部にそのまま現れるようにしました(2017.07.21)


「コーナー開口」は、2組の窓とカウンターの組み合わせてつくります。部屋全体の印象だけでなく、部屋の隅に居心地よくいられる工夫でもあります。私は部屋の中央に堂々としているより、部屋の隅にいる方が好きなので... 。

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この部屋のコーナー開口は、同じ大きさの幅の狭い縦長のすべり出し窓を2組、窓の下枠に合わて、カウンターをつくりました。この部屋は大きなスライド屋根で、夜空と繋がっているので、窓の幅は狭い方がいいように思いました。


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この部屋のコーナー開口は、引き違い窓とたてすべり出し窓の組み合わせで、窓の下には、住まいてさんのお手持ちの机を置いてもらいました。窓を部屋の隅に寄せることにより、ゆったりとした壁がつくれます。落ち着いた部屋になります。

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この寝室の窓が、玄関がある北側面にあり、玄関は最寄りのバス停に面しています。1日の仕事を終え、家族おのおのの帰宅。玄関ドアを開ける前に、家族がまだ起きているのか、寝てしまっているのか、窓からの灯でわかるようにしたいと考えました。


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この書斎は2階の北側にあります。階段を上がってすぐの部屋なので、気が向いたらすぐに上がって来やすい位置です。この敷地の一番いい眺めを楽しむためのコーナー開口は、同じ大きさの引き違い窓を2組、造り付けのカウンターです。

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1階の寝室の掃き出し窓の脇にも、小さな机を造りました。机に向かうと正面の小さな窓から、庭の隅まで見通せます。デッキに出られる掃き出し窓と、庭を遠くまで見通せるフィックス窓で、コーナー開口になっています。手持ちの引き出しに合わせた、造り付けのカウンターです。


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琉球畳のLDKの一番いいコーナーに、130cm幅の障子を4枚立てました。大きな掃き出し窓を2組と、カウンターではなく、琉球畳にお手持ちの座卓での、コーナー開口になりました。

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このコーナー開口と勾配天井のトップライトにより、広いLDKの8帖の畳の上を、意図的に明るくしました。朝から夕方までの1日の時間の中で、採光の割合は変化します。その変化の楽しさを浮かび上がらせるために、多くの素材を使わない、シンプルな空間にしました。


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1階も2階もコーナー開口のお手本は、やはり「賢治先生の家」でしょうか。大切なことを言い忘れていました。外の景色をのんびりと眺められることが、コーナー開口の一番のメリットですね。

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妹トシの居る和室、賢治の居る書斎の窓からは、こんな風景が見えていました。北上川や山並みも美しいのですが、畑での農作業をしている人たちを眺めることも、楽しかったでしょう。