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大瀧雅寛 ↘

キッチンの窓から見える風景と思い出

〈9966〉

キッチンに向かったときに、正面に何が見えるかということを、どの住まいでも大切にしています。このキッチンは窓越しに、道路の様子が見える縦長の窓があります。この窓からは空模様を確認しながら、今日のスケジュールを確認することもできそうですね。そんな私のキッチン窓へのこだわりは、子どもの頃の思い出の中にありそうです。

キッチンの窓から見える風景と思い出

住まいが竣工に近くと、引き渡し前のクリーニングを行います。このキッチンはたくさん図面を描いたので思い入れがあり、私自身がクリーニングを行いました(2017.07.24)

2017.07.24

私が小学生の頃に住んでいた家は、6帖2部屋の古い木造平屋でした。

私道に面して3帖の台所があり、流し台上の木製引き違い窓は、

この私道に面していました。

家が狭いこともあり、私たち兄弟の遊び場所は、

もっぱらこの私道で、夕食までの時間、

弟や近所の友達と遊ぶ毎日でした。

私の向かいの家の庭先には大きな柿の木があり、

私道の上に大きく伸ばした枝が、居心地の良い日陰をつくりました。

その居心地をさらによくしていたのが、台所の窓だったのです。

その窓からの調理の音や湯気、窓で動く母の気配、この安心感。

母もまた、窓から私たちが見えて安心していたのでしょう。


我が家のキッチンをご紹介します。

リフォーム前はキッチンは北側の暗い場所にありましたが、

ダイニングを狭くしてでも、

キッチンは東側の道路に面した位置に移動しました。

ダイニングが4帖になったかわりに、キッチンの眺望がよくなりました。

Image

キッチンからカウンター越しに、ダイニングを見た風景です。

私は左側の本棚を背にして座り、娘は窓を正面にして座り、

毎日の宿題をこなしています。

ふたりがテーブルに向かい合う風景が微笑ましいと、妻は言っています。

娘の通う小学校は今日から夏休みが始まったようです。

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