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大瀧雅寛 ↘

一級建築士「設計製図」の試験課題

〈9964〉

2017(平成29)年度の、一級建築士「設計製図」の試験課題は、「小規模なリゾートホテル」になりましたね。毎年この時期に課題が発表されると、私が受験した25年前の1992年を思い出します。その時の課題は「アトリウムがある図書館」でした。

一級建築士「設計製図」の試験課題

試験会場を後にして、大宮から川越のJR川越線の車中で、忘れないうちにスケッチしたものです(2017.07.26)

2017.07.26

2017(平成29)年度の、一級建築士「設計製図」の試験課題

一級建築士の試験は年1回、秋に行われます。「学科試験」と「設計製図」の、2段階試験になっています。「学科試験」の合格者のみ、「設計製図」を受験できます。


会場となる大学の教室で、設計条件の書かれたメモと、大きな図面用紙が配られます。5時間30分という制限時間内に、要求された図面を書き上げるのです。


「一級建築士製図試験はエスキス(間取り)で決まる」と言われています。たくさんの図面を書かなくてはならず、気持ちは焦りますが、そこを我慢して、まずは、エスキスを煮詰めることが大切です。というのも、制限時間内に収めたとしても、そのエスキスが間違っていれば、図面の意味などなくなってしまうからです。

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私が受験した時の課題は、「アトリウムがある図書館」でした。アトリウムとは、ガラスの屋根で覆われた、明るい大規模な空間のことです。1階のエスキスです。敷地は交差点の角で、公園にも面している敷地です。鉄筋コンクリート造の2階建て、延べ面積は2,400m2前後と、条件を提示されるのです。


今見ると、公園に面しているという敷地の特性を、全く無視しています。公園に図書館の裏側を見せてしまっている。私が採点者なら、大きく減点する間取りですね... 。

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2階のエスキスです。2階には150席の小ホールがあります。青い部分は階段で、2階から安全に避難できる位置に計画されています。赤い部分はトイレです。25年前ですが、車いすで利用できる多目的トイレも計画されています。また、エントランスにはスロープも計画されています。当時すでに、バリアフリーに対しての配慮が求められていました。


最近、訪れる先々で、図書館に立ち寄っています。図書館の役割も変わってきていますね。例えば、学習室。以前は「図書館以外の本を読まないで」などと、張り紙がありました。

しかし最近では、受験勉強や資格取得の勉強のために、積極的に利用させてくれる図書館が多くなっていますね。私も毎週、お世話になっています。

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