黒衣(くろご)の2階建て:窓の役割
〈9928〉
https://anity.ootaki.info/9928/
永遠に心に刻まれる言葉ってありますよね。15年ほど前に梅田駅のおでん屋さんで、在阪の建築家と食事をしていた時の話です。おでんを食べながらの建築談義。話題が建築以外に、それることはありません。建築家は言いました。「窓っていうのはね、お能の面に、目を彫り込むように、慎重でなくっちゃだめなんだよ」。
木工事は、全て大工じゃないと、できない訳ではありません。今日の私の仕事は、私でもできる木工事をしています(2017.08.31)
2017.08.31
1階は外の景色を眺めるような、建物の用途ではありません。
1階の窓は、75cm角の正方形の窓が、高い位置に点々と並んでいます。
これは、比較的小さなガラス面で、効率よく採光する工夫です。
中心にある窓に近寄って、外を眺めると、南国のような高木。
この木、ソテツって言うんでしたっけ。
いわゆる建築家の設計では、「コンセプト」というテーマを、
あらかじめ設定し、それに基づいて設計を進めていくそうです。
しかし、私の場合は、そうではありません。
建物の工事が進行していくと、「これがしたかったんだ!」と、
ふと、気づくのです。この小さな正方形の窓もそうでした。
小さな正方形の窓は、さながら「額縁」のようです。
それぞれの「額縁」、正方形の窓が切り取る小さな景色は、
住まいてさんだけでなく、この建物を訪ねた人たちを、
楽しませてくれるでしょう。
静かな昼休みに、「これがしたかったんだ... 」と、
ひとりつぶやきます。
さて私は、建築家になれるでしょうか... 。
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