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西川杉の森で見つけた「森の暗号」

〈9883〉

埼玉県飯能市は、西川材の産地として有名です。その山主さんに、伐採の様子を見てみたいとお願いしました。木造住宅の柱に選ばれるのは、桧(ヒノキ)や、杉などですが、その違いを木の幹だけで見分けるのは、難しいものです。『葉を見ればわかるよ』と、山主さんから「森の暗号」を教えてもらいました。

西川杉の森で見つけた「森の暗号」

なにやら葉の裏側には、 白い「Y」という文字が、縦につながるように書かれています。この暗号で、樹種がわかるそうなのですが...(2017.10.15)

2017.10.15

山主さんから、『伐採時期には適切な時期がある』と聞きました。来年の使う木は秋季、9月の終わり頃から、11月までに伐採するそうです。

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『葉枯らし』といって、伐採後は枝払いをせず、葉をつけたままの状態で、その伐採場所の山中に、木をそのまま寝かせておくそうです。

木の中の水分は、葉からゆっくりと、時間をかけて抜けていき、収縮が少ない、安定した木材になるそうです。天然乾燥です。

なるほど、森の中では、来年の準備が進んでいるのですね。


「杉」の葉です。クリスマスツリーのもみの木のように、とがった形です。

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「杉」の葉は、平面に拡がるのではなく、やや筒状になっています。


「サワラ」の葉です。「杉と桧のあいのこ」と、父は言います。

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「サワラ」の葉は、平面に拡がっています。葉は表から見ると、桧とそっくりで見分けがつきませんが、裏側を見ればわかります。葉の裏一面が白くなっているのです。


こちらの葉の裏には、白い「Y」の文字が、まるで森の暗号のように、縦につながるように書かれています。

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これこそが「桧(ひのき)」の葉なのだそうです。

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我が家から、最寄りの本屋さんへ行くときは、こんな景色が広がります。気持ちのいい陽気の日は、自転車で行く方が楽しいですね。入間川です。飯能市、入間市、狭山市を流れ、川越市で荒川に合流します。

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江戸時代には、名栗村(現飯能市)から、「西川材」をイカダに組んで、入間川を下って、江戸まで運んでいたそうです。「江戸の西の川」から運んだことが、「西川材」の所以だそうです。


私の祖父も、山の仕事をしていたそうです。

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