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大瀧雅寛 ↘

カーポートからリビング掃き出し窓まで、繋げた屋根

〈9873〉

住まいづくりの仕事は、とても天気に左右されます。私は、常に明日の天気、この先1週間の天気を確認するようにしています。しかし、住まいてさんには、天気によって左右されない生活を送ってほしいと考えています。

カーポートからリビング掃き出し窓まで、繋げた屋根

このお住まいは庭からアプローチします。カーポートの奥の、リビングの掃き出し窓を出入り口にしています( 2017.10.25)

2017.10.25

住まいてさんは、車いすユーザーです。既存の玄関は、バリアフリーリフォームしたとしても、続く廊下は長く、ドアの幅は狭く、廊下から各室に出入りするのは困難でした。

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そこで、カーポートの奥にある、リビングの掃き出し窓を、玄関のように、出入りすることになりました。ゆっくりと、車の乗り降りができるように、カーポートには、屋根が必須です。できるだけ大きな屋根を掛けました。

また、カーポートの柱が、出入りの邪魔にならないように、柱の位置を自由にできる屋根にし、柱は端に寄せました。

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門扉は、車いすで開け閉めしやすい、アコーディオンドアです。アコーディオンドアは、「親子型開閉」にしました。「親子型開閉」とは、ひとの出入りするときは、小さく開口でき、車を出入りさせるときには、全部を開口できるものです。

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カーポートの奥は、リビングや庭に繋がっています。車から降りた後、雨に濡れずに掃き出し窓まで行けるように、カーポートとつながるように、テラスにも屋根をかけました。

外出したい時は、晴天だけとは限りません。屋根を連続させることで、雨天でも外出したい気持ちを、持ち続けられるようにと考えました。

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住まいてさんは、立ち上がることができる方でした。リビングの掃き出し窓の前には、階段型の踏み台を置きました。

手すり付きの踏み台にし、また、窓枠にも手すりを付けてあり、30cmほどの段差を、上がり下りします。


住まいてさんは車いすを、外用と内用を乗り分けています。置き場所に困る外用の車いすは、外に置きますが、屋根があるので、雨に濡れなそうです。

この先、必要になった時には、段差リフトにする予定です。このお住まいは庭にも、段差なく行くことができます。ご近所の散歩や、デイサービスにも、ここから出かけていきます。

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このお住まいの様な、外構工事で一番困るのは、コンクリート打設工事の時に、雨に降られてしまうことです。「お天道様にはかなわない」のです。

ですが、住まいてさんが予定していたことが、当日の天気によって、左右されないようにすることができた、バリアフリーリフォームとなりました。

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