森の中の応接小屋は「正六角形」に
〈9870〉
https://anity.ootaki.info/9870/
豊かな起伏の広い敷地の中に、お客さんを迎える応接室ならぬ、応接小屋を造りました。この応接小屋は、近くから遠くから、低い所から高い所から、色々な方向から見られます。そんな場所に建つ建物の形状は、「正六角形」がお似合いでした。
正六角形の面積は「 一辺 × 一辺 × 3 × √3 ÷ 2」 で、求めることができます。1辺の長さが2.73mの、この応接小屋の床面積は、19.3m2(2017.10.28)
2017.10.28
正六角形は、身近な所に意外とあるものですね。
鉛筆の断面は正六角形、ボルトやナットも正六角形。
ハチの巣は、各部屋の正六角形を隙間なく並べた構造です。
ハニカム構造といい、強度をあまり損なわずに、
必要な材料を減らすことができる、優れた構造です。
雪の結晶もまた、正六角形を基調とした様々なパターンです。
正六角形のような、円に近い形状の建物は不思議です。
外からは小さく見えたのに、中に入ると一転、大きく感じるからです。
また、どこから眺めても、建物の見え方が大きく変わらないので、
小さい建物だとしても、広い敷地の中のシンボルとなります。
外観は黒く塗った杉板に、木製建具の引き違い窓がくっきりと。
1辺が2.73mの正六角形、11.7帖(19.3m2)の空間になります。
どうしたら、この応接小屋で、来客に心地よさを持ってもらえるか。
その「心地よさ」を、壁や天井に貼った杉板に求めるのではなく、
「空間のスケールで創り出したい」と考えました。
そのためには床面積だけではなく、空間の高さが重要になってきます。
外壁側の天井の高さは、手が届く位まで低くしました。
その窓から見える、黒く塗られた軒裏もまた、手が届く程の低さです。
窓から軒裏が見えることも、空間の親密さを高めてくれました。
正六角形の中心には、杉の丸太を立てました。
その丸太からの、6本の腕木が屋根を支える、傘のような構造です。
そうそう、サッカーボールの模様も、正六角形の組み合わせです。
私が小学生の頃のサッカーゴールは、格子状のネットでしたが、
最近では、正六角形の組み合わせのネットになりました。
その方が、「ゴールに突き刺さるように見える」からだそうです。
カテゴリー
大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
有限会社 大滝建築事務所 代表
携帯電話:090-3069-3425
メール:ootaki@icloud.com
https://anity.ootaki.info/9870/