窓の配置は、夜空に輝く星座のように
〈9852〉
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夕方に出向いたのに、あっという間に暗くなりました。縦にふたつ、横にみっつ。5つ見える窓は、全て同じ正方形です。黒にまとめた外観は、より一層、この窓から溢れる灯を美しくみせているようです。
おそらく30年程前に買った画集です。20代の頃は仕事が少なく、木版画の習っていたのですが、その参考になるのでは、買ったのでした。ですがその画集、本棚ですぐに見つかるか心配しながら、家路につきました( 2017.11.15)
2017.11.15
さて帰ろうか、外に出てデジカメで撮影し、その画像を液晶モニタで確認すると、とあるアメリカ人画家の、画集を思い出しました。
リオネル・ファイニンガー
リオネル・ファイニンガー(Lyonel Feininger)は、ドイツ系のアメリカ人画家。
アメリカのニューヨークに生まれる。1880年代後半にドイツに行き、音楽、後に絵画を学ぶ。
1910年代に入り、ロベール・ドローネーを通じて、キュビスムを知る。
1913年には、青騎士のグループにさそわれ、ワシーリー・カンディンスキー、パウル・クレーなどと活動する。
1919年には、ヴァルター・グロピウスの誘いで、バウハウスにて教鞭をとる。
1937年、妻がユダヤ系だったため迫害を逃れてニューヨークに戻る。1956年、そこで没した。
パリで出会ったパブロ・ピカソの影響で キュビスムと表現主義を融合させた作風が多くなる。
典型的な作品としては、階調に差をつけた色彩を使って画面(空までを含む)を平面状に分割し、それにより光を表現した風景画である。
プリズムを通して見た風景のような観を呈している。
ドイツの迫害の影響で再びニューヨークに戻った後は、喪失感から画風が大きく変化した。
生涯の作風は一人のものとは思えないほど多様である。
これもまた、20代の頃の思い出です。1週間の建築旅行を計画し、深夜、中央高速道で京都を目指しました。
諏訪のパーキングエリアが、最初の休憩地点となりました。パーキングエリアは高い位置にあり、街並みを見下ろせました。
車から降りると、目の前に広がるたくさんの灯り... 。街路灯や信号の灯り。そして、家いえの窓から溢れる灯り。
どの灯りも、そこで暮らしている人たちのためにある。その灯りのもとには、ひとつの家があり、ひとつの暮らしがある。そう思うと、小さなたくさんの灯りが、とても愛おしく思えました。
天の川のようなたくさんの灯りを、私はしばらく眺めていました。住まいは、こんな優しさで満たせれることが重要なのだ... 。
住まいづくりのヒントを得たい、スタートしたばかりの建築旅行ですが、実は、そのパーキングエリアで、その目的を果たしてしまったのでした。
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