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大瀧雅寛 ↘

デザインを整えるために、北側の屋根を高くしない

〈9829〉

建物の外観のデザインを進めていく中で、屋根の形状はとても重要です。私はデザインを整えるためだけの理由では、北側の屋根を高くしないようにしています。「住居系地域」では、北側の屋根の高さを低くするように、建築基準法による制限がありますが、その制限の有無に関わらず、北側の屋根は極力低くするようにしています。

デザインを整えるために、北側の屋根を高くしない

このお住まいの最初の打ち合わせで、住まいてさんから「平屋にして、北隣りの家に日があたるようにしてほしい」と、ご要望されました(2017.12.08)

2017.12.08

間取りを考えていくと同時に、外観のデザインも考えています。

その外観のデザインを決定するのは、やはり「屋根の形状」です。

屋根の形状で、大切にしていることがあります。

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• シンプルにすること(隅や谷を、できるだけ減らす)

• メンテナンスで上がりやすいこと(どこから上がるか、緩い傾斜)

• できるだけ低くする(外壁に雨が当たらないように)

• 特に北側の屋根を、できるだけ低くする(北隣りの日当たりにも考慮)

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東南の角地の木造2階建ての住まい、北側からの外観です。

2階部分はできるだけ南側に配置し、北側は1階になるようにしました。

北側の2階屋根の高さは、できるだけ下げています。


また窓の位置も、北側に隣接する住まいを覗かないような位置、

大きさにしました。このような小さな配慮の積み重ねが、

後のご近所付き合いを、円満にしてくれるだと考えています。


例外もあります。南斜面の住宅地で、北側が高くなっている場合です。

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南斜面の敷地に立つ2階建てのお住まいですが、傾斜に合わせて、

半階ずつ上がっていく、「スキップフロア」になっています。

南下がりの傾斜に合わせて、屋根も南に下げることが、

この敷地の個性に、逆らっていないように感じました。


さて道路に出て、あらためて我が家を北側から眺めて見ましょう。

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2階は3部屋だけなので、1階より、ひと回り小さくなっています。

北側の外壁は、1階の外壁より2階がセットバックしているので、

北側隣りのお住まいのお庭にも、日が当たっていました。


我が家は、中古住宅を購入しリフォームしました。

この「北側の屋根が低いこと」も、中古住宅を選定するポイントでした。

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