シンプルな「ホワイト」にこだわった、バリアフリーキッチン(3ヶ月半後)
〈9823〉
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LDKの南側のアルコーブ(壁面の一部をくぼませてつくった空間)は、勾配天井は高く、明るく気持ちのいい空間です。そんな1等席に、バリアフリーキッチンを造りました。シンプルな「ホワイト」にこだわったキッチンは、住まいてさんが暮らし始め、観葉植物たちが加わって、ようやく完成したように思えました。
8月のお引越しから3ヶ月半が経ちました。今日は、住まいてさんにお願いして、撮影のための訪問です。画像ではわかりませんが、テーブルの下の床暖房が心地よくて...(2017.12.14)
2017.12.14
ダイニングとキッチンとのつながり方は、色々あります。このお住まいでは、「L字型」のLDK、キッチンとダイニングは、「L字型」に並びます。右側に少し見えているのが、ダイニングテーブルです。
ダイニングに長く居たいとき、キッチンが見えない方が、心地よいですね。ダイニングからは、このスパイスボックスが、バリアフリーキッチンを隠します。
流し台の幅は240cm、右脇の引き出しの幅は48cm。流し台の高さは、床から81cm。シンクの深さは19cmです。流し台下部の開口高さは、62cm確保したので、車いすで入ったときに、膝がぶつかりません。
シンクとコンロの隙間は11cm、ぴったりと並べました。住まいてさんは、以前のお住まいのキッチンでも、シンクとコンロを、ぴったりと並べていたそうです。調理の使い勝手が、変わらないようにしました。
正面はデッキです。開口幅の広い、引き違い窓から出入りします。デッキには、屋根を付けたので、物干しスペースにしたり、キッチンから出るゴミを置いたりと、実用的に使えます。キッチンと食器棚は、向かい合います。その間隔が十分あるので、車いすで回転がしやすくなり、使い勝手がよくなります。
通常、キッチンスペースが、長方形が多いのは、「I型キッチンでの横移動」を想定しているからです。一方、車いすユーザーのキッチンスペースは、正方形に近い方が、車いすで回転がしやすくなり、使い勝手がよくなります。
そんなキッチンスペースを、高窓から朝日が差し込んでいました。
このLDKのメイン暖房は、ガス温水式に床暖房です。天井が高くなっても、高さによる温度ムラが少なくなります。シーリングファンが、天井に溜まった暖かい空気を、下に下ろしてくれます。
このLDKにぴったりと合う冷蔵庫を、住まいてさんが見つけました。
この冷蔵庫は、「無印良品」の「MJ‐R27A」です。余分な機能が削がれていて、シンプルなデザインで、好感が持てますが、車いすユーザーが、使いやすい冷蔵庫とのことでした。高さは約142cm、小型なのでが、手が届くとのことでした。
平らな鋼板を扉に使用したシンプルな冷蔵庫でキッチンに馴染みます。ハンドルは単純な丸棒で出来ています。355Lに比べ高さが抑えられているため、少人数の狭いキッチンに最適です。天面にオーブンレンジを置くこともできます。
LDKには、このバリアフリーキッチンや食器棚以外にも、たくさんの家具が置かれます。 その家具などの色は、「ホワイト」と「ブラウン」の2色にまとめて、一体感のある空間になるようにしました。
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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
有限会社 大滝建築事務所 代表
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