表千家のお茶室、水屋稽古に重宝する水屋家具
〈9816〉
https://anity.ootaki.info/9816/
マンションの中にある表千家の教室です。京間8帖の和室と、水屋がある本格的な教室なのですが、困ったことがあるそうです。たくさん生徒さんがいらっしゃるので、「水屋渋滞」が発生してしまうとのことでした。そこで、この「水屋家具」を造ることになりました。
表千家の手本をただ写すだけでなく、この決められた条件の中で、合理的に解決していくことを、大切にしました(2017.12.22)
2017.12.21
この表千家の教室には、京間の8帖の和室があり、脇には水屋があります。
この水屋には、「隅棚(すみだな)」「通し棚」「すのこ棚」のある、本格的な水屋ですが、水屋での稽古の際、ひとりしか利用できません。
水屋家具の大きさは、既存の収納家具に合わせました。水屋家具には、キャスターが付いているので、移動させることができます。
デザインが揃うだけではなく、収納家具の扉を開閉できるようにするためです。
取っ手のない、片開き扉です。シナ合板をクリア塗装しました。内部はポリ合板にして、水がはねても拭きやすいようにしました。柄杓(ひしゃく)や、茶筅(ちゃせん)を掛けるための、竹釘を取り付けました。
水栓はありません。水屋瓶(みずやかめ)に、水を貯えておきます。実は、水屋瓶から水を用いるのが、水屋の基本なのだそうです。
水皿(みざら)は本来、銅板を折り曲げて造ります。隅は溶接しているのですが、耐久性の点では不安が残ります。
ステンレス製にして、キッチン用の排水トラップを取り付け、汚れがつきにくく、掃除がしやすくなりました。水皿(みざら)の上には、桧で作ったすのこを敷きました。
水屋家具を使うときは、水皿からの排水が出ますので、家具の底には、洗濯機のような排水ホースがついています。
障子窓を少し開け、その隙間から排水ホースを、バルコニーに出します。排水は多くはないので、置いた容器に貯留しています。水屋家具を使わないときは、前室にひっそりと佇んでいます。
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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
有限会社 大滝建築事務所 代表
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