外観は「遠景」「中景」「近景」それぞれの視点から
〈9804〉
https://anity.ootaki.info/9804/
『遠くから建物に近づいていくにつれて、だんだんとその建物を理解していく』私が美しい感じる建物は、そんな建物です。「遠景」では、建物全体のフォルム。「中景」では、建物の表情。「近景」では、建物内部を示唆する。建物の外観デザインは、「遠景」「中景」「近景」それぞれの視点から、検討しています。
元旦に近所の神社に初詣に行きました。神社に近づいていくと、まず見えてくるのは、遠景を受け持つ屋根です。大きなひとつ屋根は、人を引き寄せる力があるようです(2018.01.02)
2018.01.02
「遠景」では、建物全体のフォルム。
大きなひとつ屋根が、美しく見えます。
「遠景」で大切なのは、屋根の形です。
快晴です。真っ青な空を、屋根は縁取ります。
空と接する、そのアウトラインがどうなるのかを、
屋根の形を考える時に、大切にしています。
「中景」では、建物の表情。
遠景で見えていた屋根と、外壁面の組み合わせです。
「中景」では外壁面の表情がわかり、その建物を理解し始めます。
深い軒の出がつくる陰影も、建物の美しさを引き立たせています。
道ゆく人たちに、「もっと近寄りたい」と思わせたいですね。
「近景」では、建物内部を示唆する。
建物を目の当たりにして、詳細がはっきりとわかります。
建物に入らずしても、その内部が、どうようなのか想像できます。
よく「軒裏は、第5の立面」といいます。
近景では、屋根は見えなくなり、軒裏が見えてきます。
東西南北の立面4面に続いて大切なのが、この「軒裏」です。
「今年もまた、たくさんの住まいてさんに出会えますように」
本当に真っ青な空。風もなく暖かい初詣でした。
今年は、いいことがたくさんありそうです。
初詣の帰り道、公園に立ち寄りました。
公園の向かう側には、家いえが建ち並びます。
建ち並ぶ建物を遠くから眺めると、まず屋根が目に入りますね。
外壁や窓は、大きく違わないのに対し、屋根の形、色は様々です。
「街並みに調和すること」同時に「街並みに埋没しないこと」
その相反する条件を、対比させながら、建物の外観を設計しています。
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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
有限会社 大滝建築事務所 代表
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