「兼築家」をめざして、ラジオ少年ふたたび
〈9792〉
https://anity.ootaki.info/9792/
我が家での夕食では、「今、造っている建物」「新しく依頼された仕事」などが、よく話題になります。昨夜、新しく依頼された仕事を話題にしたところ、娘から『それって、工務店の仕事じゃないでしょ!』と、間髪入れずに突っ込まれました。その依頼とは、『ピアノのペダルを電動にしたい』というものでした。確かに冷静に考えると、工務店の仕事じゃないですね。
私は小学生の頃からの、ラジオ少年です。「ブレッドボード」とは、小さな穴が開いた実験用のボードです。はんだづけが不要で、手軽に電子回路を組めるので、電子回路を考えながら、検証していくのには最適なのです(2018.01.14)
2018.01.14
依頼主の住まいてさんは、車いすユーザーです。大好きなピアノには、車いすで向かい合います。
鍵盤での運指(うんし)には、何も困るとはないのですが、足元のペダルを踏み込めないので、演奏に表現が出にくいとのことでした。
足元にあるペダルで一番大切なのが、右端にあるダンパーペダルです。このダンパーペダルを踏むと、音を長く持続させたり、その音に重ねて、次の音を弾くことができるそうです。
在宅レッスンを受けている、ピアノの先生にお伺いしたところ、
『両手は鍵盤で塞がっているので、ダンパーペダルを電動の装置で、息か、首から上の部分で操作できればいい...』と、アドバイスをいただきました。
なるほど、そうなると、何らかの『電子工作』が必要になりそうです。実は私、小学生の頃から、『電子工作』が大好きで、よく秋葉原の電気街に、足しげく通っていたのです。
今になって、役に立つことになりそうです。例えば、以前こんなものを作ったことがあります。
住宅の解体工事をする現場から、太陽電池モジュールを引き上げました。何かに利用できないかと考えたところ、バッテリー充電を思いつきました。
システムの全容です。太陽電池モジュール、実験回路の他に、手持ちの12Vバッテリーと、テスター(電流計)を用意しました。
バッテリーにやさしい充電電流は、容量の1/10程度なので、2A(アンペア)位にするための、電子回路を製作しました。
最近では『電子工作』も様変わりしました。時代が昭和ではないように... 。
これは、『Arduino(アルデュイーノ)』という、マイコンボードです。マイクロコントローラと、インターフェイスを持った基盤です。
マイコンボード「Arduino」に接続した「ブレッドボード」の上に、レゴブロックを組み立てるように、必要な部品をはめ込んでいきます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Arduino
マイコンボードの左上に、USB端子があります。パソコンを繋いで、プログラムをインストールするのです。そのプログラムが、マイコンボードの右下の黒いマイコンチップに書き込まれるのです。
とても参考になる、サイトを見つけました。
ここ数年の間でパソコンに電子工作の母体となる「マイコン」をつなげて、センサーやモーターなどのパーツを誰でも容易に扱うことができるようになり、気軽に電子工作を楽しむことができるようになりました。
今や電子工作は、「新しい未来を作り出すスキル」です。このスバラシキ電子工作の世界に、あなたも飛び込んでみませんか?
さて当分、休日はこの『ペダル装置』の研究が続きそうです。私は、建築家を自称する設計者ではないので、自分のことをどう紹介したらいいのか、考えていました。
ひらめきました!
これからは、「建築家」でなく『兼築家』と、自己紹介することにします。
「建てること」だけではなく、「建てること」を中心としながらも、『住まいてさんの願いを形にできる』、そんなお手伝いに至るまで、できるようにしていきたいです。
昭和のラジオ少年は、平成のラジオおじさんとなって、帰ってきたのです。
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