つり下げリフトは、段差解消の最後の手段
〈9780〉
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車いすで段差を伴う出入りするためには、段差リフトを利用することが一般的です。しかし、段差リフトを設置するためには、十分な奥行き(120cm以上)がないと設置できません。このお住まいは、段差リフトを設置するのは困難でした。そこで段差解消の最後の手段として、道路と寝室のベッド脇とを空中で移動する、「つり下げリフト」を選びました。
このお住まいの車いすでのアプローチは、つり下げリフトを利用し、寝室の掃き出し窓を出入り口にしました(2018.01.26)
2018.01.26
つり下げリフトの昇降高さに合わせるために、リフト設置工事に先立ち、既存のブロック塀を、2段(40cm)分撤去しました。
道路側溝のふたは、厚いふたから薄いふたに取り替えました。
まずは車いすをできるだけ、ブロック塀側に寄せます。
「つり下げリフト」のアームは、その位置まで伸びてきます。
車いすの車輪の片側は、道路側溝に敷設したグレーチングに乗っています。
つり下げリフトは、重量がある電動車いすで利用することは困難です。
車いすの事前に取り付けたフックに、赤青の計4本のロープを掛けます。
赤ロープは前側、青は後側で、車いすが水平になるように調整しています。
この道路面から寝室の床面までの高さは、90cm程で限度いっぱいでした。
高さ1mのブロック塀を跳び越え、寝室の掃き出し窓に向かいます。
リフトの上下移動は「電動式」で、リモコンで操作します。
左右の移動は「手動」なので、介助者が車いすを手で押します。
このリフトは、1本のポールで支えられています。
ポールの基礎は、60cm立方のコンクリートです。
寝室に到着しました。和室からバリアフリーリフォームした部屋です。
リフトで出入りする掃き出し窓の脇に、ベッドを置くことになりました。
窓周辺は冷えやすいので、障子を撤去し断熱2重窓に取り替えました。
室内から道路にでる時は、この逆の動作になります。
実際に乗ってみると怖くありません。乗り心地は快適でした。
ですが乗り心地は、みなさん感じ方が違うものなので、
事前にメーカーにデモを依頼し、住まいてさんに確認してもらいました。
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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
有限会社 大滝建築事務所 代表
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