「家への出入り」が、バリアフリーの第一歩
〈9776〉
https://anity.ootaki.info/9776/
住まいのバリアフリーリフォームが必要になったとき、最初に考えることは「家への出入り」です。戸建て住宅の場合、道路面と室内の床面の高さは、70cm以上あるのが一般的です。この段差の解決をします。最初に大きな選択があります。『玄関から出入りする』のか、『掃き出し窓など、玄関以外から出入りする』のかです。
バリアフリー住宅では「実用性」が優先されますが、同じように「遊びごころ」も大切にしたいです。花を眺めながらの曲線スロープ、お伺いするとたくさんの花。うらやましい花壇になっていました(2018.01.30)
2018.01.30
A.玄関 : ポーチ階段+手すり
玄関ポーチの5段の階段に、手すりを取り付けました。このお住まいのように、手すりは両側に付けた方が、昇り降りのどちらでも、力の入りやすい利き手で手すりをつかめます。また、斜めの手すりの両端を、30cm程水平に伸ばしておくと、階段を昇り始める前に手すりをつかめるので、階段を安全に昇降できます。
B.玄関 : スロープ
『細く長い路地を通り過ぎ、右に曲がる。外出先から家に帰ってくると、世界にひとつしかない、我が家が佇む。季節の花が咲き並ぶ、花壇の脇を半周回るように、玄関ポーチに続くスロープ。その先は、大勢の家族がいるリビングまで、フラットに繋がっていく... 』、みたいな感じにならないかなあと、考えたスロープです。
C.玄関 : 段差リフト
カーポートとの距離をできるだけ短くしました。カーポート面と室内床面との「30cm」の段差は、床に埋め込んだ「段差リフト」で、昇降することにしました。車いすでの使いやすさを最優先にした、マイカー通勤がしやすい玄関ポーチです。
D.掃き出し窓 : 階段+手すり
住まいづくりの仕事は、とても天気に左右されます。私は、常に明日の天気、この先1週間の天気を確認するようにしています。しかし、住まいてさんには、天気によって左右されない生活を送ってほしいと考えています。
E.掃き出し窓 : スロープ
『車いすユーザーの主人のために、庭にスロープを作りたい』と、奥様からのご依頼でした。このお住まいに訪問し、私はこの庭を見て、奥さんの気持ちが伝わってきました。まるで、植木屋さんを年に何回も頼んでいるような、手入れの行き届いた美しい庭。しかしそれは、奥様が丹精こめて、手入れをしている庭なのでした。
F.掃き出し窓 : 段差リフト
入母屋造りの重厚な和風建築のお住まいです。玄関には立派な式台があり、玄関土間から床までの高さは50cmほどあり、車いすでの出入りは困難でした。そこで、車いすユーザーが気軽に外出できるように、縁側の外に段差リフトを設置して、その掃き出し窓を出入り口としました。
このお住まいは道路からの高低差があり、道路面から1階床面までの高低差は「1.5m」。車いすでは、玄関からの出入りが難しそうでした。そこで庭の一部にリフトを設置し、リフトから寝室までのデッキを通り、寝室の掃き出し窓から、出入り口にすることになりました。
G.掃き出し窓 : つり下げリフト
車いすで段差を伴う出入りするためには、段差リフトを利用することが一般的です。しかし、段差リフトを設置するためには、十分な奥行き(120cm以上)がないと設置できません。このお住まいは、段差リフトを設置するのは困難でした。そこで段差解消の最後の手段として、道路と寝室のベッド脇とを空中で移動する、「つり下げリフト」を選びました。
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