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『マンション探し』車いすを想定したマンションリフォーム(1)

〈9762〉

50代ご夫婦さんから、マンションのバリアフリーリフォームを依頼されました。ご主人が進行性の難病により、近い将来に車いすを使うことになるのを見越して、中古で購入したマンションをリフォームをした後に、引っ越したいというものでした。さて、話はマンション探しから始まります。

『マンション探し』車いすを想定したマンションリフォーム(1)

市内や周辺で30件ほどをあたったそうですが、条件を満たしたのは、わずか中古の2軒だけでした。 結局選んだのは、各階2戸ごとにエレベーターと階段が1組ずつある、中廊下式のこのマンションでした(2018.02.13)

2018.02.13

車いすを想定したマンションリフォーム

住まいてさんが当時住んでいたマンションは、階段しかなかったので、まずは、「エレベーター」があることが条件でした。

次いで、マンション前の歩道からエントランス、エレベーター乗降口、共用廊下、各戸の玄関、廊下、寝室までという動線が、「段差によって1ヶ所も途切れていないこと」が、選択基準になりました。

せっかくのエレベーターも、エントランスに数段でさえ階段があるなら、意味がなくなってしまいます。

車いすを想定したマンションリフォーム

エントランスは駐車スペースに近く、車寄せがありましたので、エレベーターの近くまで、車をつけられます。

「自動車とのつながり」も重要でした。雨の日の車の乗り降り、車から降りてマンション内に入るときも、濡れないですみます。

エントランスドアの形式も考慮に入れました。自動ドアなら問題はありませんが、手前や奥へ開閉する形式は、車いすでの出入りが難しいものなるからです。

車いすを想定したマンションリフォーム

共用廊下は「開放式」と「中廊下式」がありますが、このマンションは「中廊下式」でしたので、冬でも吹きさらしにならず、暖かそうでした。

玄関ドアのすぐ近くに、エレベーターも階段もあり、気軽に外出できそうでした。


住戸内についての条件は、間取りの変更を伴う大規模なリフォームをすることが前提でしたので、室内の間仕切り壁の性質でした。

マンションの場合、「コンクリートの構造壁」と、「部屋を仕切るためだけに設けた壁」の、2種類の壁があります。

間仕切り壁はほとんどが構造壁ではなく、「部屋を仕切るためだけに設けた壁」でしたので、自由に間取りを変えやすそうでした。

車いすを想定したマンションリフォーム

車いすを使うことを考えると、寝室は広くなくてはなりません。

夫婦一緒の寝室にして、ベッドやポータブルトイレを置き、車いすで室内を移動するには、10畳以上の広さが必要になります。

リビング以外に10畳以上の部屋はなかったのですが、隣り合った部屋の間仕切り壁を壊して、ひとつの部屋にできそうでした。

そのためにも、壁の性質を知ることが大切でした。

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