ベッドを置く場所を、選択できる自由があること〈9760〉

住まいてさんが進行性の難病により、近い将来に車いすを使うこと、ベッドに横になっている時間が多くなることが、想定されました。東西に広いマンションなのですが、そのベッドをどこに置くのか悩みました。「東側のリビング」がいいのか、それとも「西側の寝室」がいいのか。『ご主人のベッドを置く場所』が、このお住まいで一番大切なことと感じました。

ベッドを置く場所を、選択できる自由があること

落ち着いた空間をつくるためには、開口部だけでなく「壁」もまた大切な要素です。廊下の片面の壁には、絵を飾れるようにピクチャーレールを取り付け、スポットライトは壁面を照らします。さながらギャラリーのようです(2018.02.15)


『ご主人のベッドを置く場所』が、このお住まいで一番大切なことと感じました。

「東側のリビング」だと環境はよくても落ち着けない、

また、「西側の寝室」は落ち着くのですが、

リビングにいる家族とのつながりが、少なくなる心配があったからです。

『廊下を広げること』が、この問題を解決するのではと考えました。

必車いすを想定したマンションリフォーム

一般的な廊下の幅は80cm前後で、車いすでは通るだけでも不十分です。

通るだけで90cm、さらに直角に曲がって洗面室やトイレに入るとなると、

110cm程の幅が必要になります。

廊下脇にあった納戸などを取り壊し、廊下を広げることができました。

必車いすを想定したマンションリフォーム

洗面所とトイレにも、十分な広さを確保できそうだったので、

廊下の幅は110cmとりました。

限られた面積の中では、廊下をそこまで広くせずに、

「廊下に面した戸の幅を広げることによって、曲がりやすくする」

という方法もあります。

必車いすを想定したマンションリフォーム

実は廊下を広げたいと考えた、もうひとつの大切な理由がありました。

リビングと寝室の間を、「ベッドを動かしたかった」からです。

どちらかにするというのではなく、そのときの気分や状況によって、

ベッドの場所を変えられるようにと、考えた結果でした。

その東西をつなぐ大切な役割を、廊下に与えたいと思いました。

必車いすを想定したマンションリフォーム

できれば「廊下の無い間取り」がいいと考えていますが、

しかし、廊下をなくせないならば、それを逆手に取れないのか。

結果、この廊下によって住まいの端から端までを見通すことができ、

広がりを感じられ一体感があり、ゆったりできると好評でした。