『フリーマインド』車いすを想定したマンションリフォーム(5)
〈9758〉
https://anity.ootaki.info/9758/
車いすを想定したマンションリフォーム(1)から(4)まで、このお住まいをご覧いただき、 「この程度のリフォームなら、どこにでもありそうだ」と思っていただいたのなら、私にとってうれしいことです。バリアフリーのリフォーム、車いす利用者のためのリフォームは、何も特別なことではないからです。
掃き出し窓から見える景色は8割近くが緑、リビングはゆったりとして気持ちのよさそうでした(2018.02.17)
2018.02.17
「バリアフリー」とは、『障がいがある方のための配慮』、なのでしょうか。単に、車いすユーザーの、ご主人にとって使いやすいだけなら、ご主人は、家族さんに対して申し訳なく思うでしょう。
だから、「家族全員にとって使いやすいこと」を大切に考えました。それが、広い廊下や、広くなるトイレなどのアイディアへと、つながっていきました。
このお住まいの小さなアイディアは、「バリアフリー」というよりも、『フリーマインド』というほうが、私の気持ちにより近いようにも感じます。
「とらわれない心」、という意味です。
大きな発明をするというよりは、身の回りの小さなアイディアを、ひとつひとつ発見していく姿勢を、常に持っていたいと考えています。
ご主人は進行性の難病なので、将来は車いすでの時間よりも、ベッドに寝ている時間の方が、多くなってしまうかもしれません。
そうなったときに、手を加えたいことが、もうひとつあるのです。バルコニーにすのこを造り、居間の床と平らにしたいのです。気の向いた時にバルコニーに出て、直接外の空気を感じられるからです。
そんな日々の生活の中の、ありふれた期待に答えられることも、住まいの大切な役割なのだと、考えることができました。
『バリアフリーをつくる』私の仕事は、実現させていただいてこそ、私の学びとなります。このお住まいのリフォームは、私にとって忘れられない、大切な仕事になりました。
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