マンションのユニットバス、最低限のバリアフリーリフォーム
〈9748〉
https://anity.ootaki.info/9748/
住まいてさんは20代の男性で脊椎損傷の、車いすユーザーです。購入したばかりのマンションを、バリアフリーリフォームしてから引っ越すことになりました。浴室は「1416タイプ」のユニットバスでゆったりとしており、最低限のバリアフリーリフォームをしました。
白く風呂ふたのように見えますが、風呂ふたではなく、風呂ふたの様に見える移乗台です。浴室のマンションリフォームです(2018.02.27)
2018.02.27
車いすユーザーの住まいてさんが、入浴する手順は、まずは車いすから、洗面室の床に腰を下ろします。
そして、座った状態のまま両足を伸ばし、浴室へと入っていくのですが、既存の浴室ドアは片開きドアでしたので、開閉のためのスペースが大きく、浴室へ入った後、浴室ドアを閉めるのが困難でした。
通常、ユニットバスのドアは、交換できるものではありませんが、
ユニットバスメーカーが特別に対応してくれ、ドアを交換できました。『引き戸にはできない』とのこと、一般的な『折れ戸』にしました。
折れ戸には、「段差あり」のものと「段差なし」のものがありますが、リフォームで対応できるのは、「段差あり」のものだけでした。1cm程の気になる段差ができましたが、住まいてさんの方で、バスマットを敷くなどの、対応してもらうことになりました。
『どうにかして、浴槽に入れないのか』との、ご依頼でした。そこで、浴槽の上に、バスボード(座ることのできる樹脂製の板)を置きました。
バスボードは、たくさんの既製品があるのですが、このお住まいの浴槽の形状は、半円状の特殊でしたので、既製品のバスボードが使えず、特注製作をしました。幅は浴槽のカーブの形状に合わせ、たっぷりと座れるように、奥行きは40cmにしました。
問題は、浴室の洗い場からバスボードへ、どうやって上がるかでした。
住まいてさんと、シミュレーションしたところ、「L字型の手すり」を壁に取り付ければ、上がれることがわかりました。そのため、このL字型の手すりの「縦の部分」は、一般的な取り付け方とは、左右反対となっているのです。
実はこのように、手すりの「縦の部分」は奥が深いのです。ですが、この方法で、どの方もうまくいくとは限りません。車いすユーザーの住まいてさんは、「20代の男性」で腕力があり、だからこそできた、入浴方法なのです。
バスボードに座った姿勢です。L字型の横部分は低めにしてあります。
バスボードから浴槽に入った姿勢です。バスボードがこれ以上大きいと、浴槽に入りにくくなってしまいます。
風呂ふたを閉めると、こんな様子です。右側の1枚がバスボードなのです。
カテゴリー
大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
有限会社 大滝建築事務所 代表
携帯電話:090-3069-3425
メール:ootaki@icloud.com
https://anity.ootaki.info/9748/