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大瀧雅寛 ↘

待ってあげることこそ、最良の親切なのです

〈9744〉

先日お伺いした、2組の住まいてさんのお宅で、とてもいいお話しを聞かせていただきました。期せずしてどちらの内容も、私が遠ざけている言葉、『お手伝いできることがあれば、何でも言ってくださいね... 』の、まさに対局にある『言葉』についてでした。その言葉というのは... 。まあ皆さまも、急がずにお付き合いください。今日はいつもより、回りくどいですよ。

待ってあげることこそ、最良の親切なのです

『時は金なり』ということわざは、『時間を大切にしなさい』みたいな意味なのでしょうが、友人の当麻さんは、時間を『豊かにする』達人です。いつも丁寧に、コーヒーを淹れてくれます(2018.03.03)

2018.03.03

待ってあげることこそ、最良の親切なのです

午前中のお伺いしたお住まいは、23年前に建てさせてもらった、バリアフリー住宅です。住まいてのOさんは車いすユーザーで、今日は、こんなお話しを聞かせていただきました。

退院して住まいへと戻り、まだ間もない頃のことだそうです。お仲間さんたち一同で、とある料亭へ出かけた時のお話しです。

待ってあげることこそ、最良の親切なのです

到着した料亭は座敷き間で、車いすから降りる必要がありました。Oさんは入り口で、靴を脱ぎ始めようとすると、お仲間さんのひとりが、『手伝ってあげるよ』と、Oさんの靴を、脱がし始めてくれました。

もちろんそれは、仲間ゆえの優しさからのことでした。

待ってあげることこそ、最良の親切なのです

すると、他のお仲間さんの方が、それを制するように言いました。

『大丈夫、手伝わなくてもいいから』

『手伝ってもらいたい時には、Oさんがちゃんと、自分で言うから』

『時間がかかるかもしれないけど、待ってあげることが最良の親切なのよ』

その方は、Oさんの気持ちを推し量ってくれたのでした。

待ってあげることこそ、最良の親切なのです

「そうなのか。待ってあげることなのか」と、私は聞き入りました。

「お手伝いできることがあれば、何でも言ってくださいね」

と言うよりも、Oさんの気持ちに寄り添う言葉に感じられます。

そう感じられる理由は、「お手伝い」の送り手と受け手の、お互いの『目線』が同じ高さになるからだと、Oさんは言いました。


『大切なことは2度起こる』って、よくいいませんでしたっけ。

Oさんのお宅を後にし、午後からお伺いしたMさんのお住まいは、

5年前に建てさせてもらった、バリアフリー住宅です。

待ってあげることこそ、最良の親切なのです

このMさんからも、いい話を聞かせていただきましたが、そのお話しは、明日に続きます。皆さまにとっても、『待ってあげることが、最良の親切』ですので... 。

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