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大瀧雅寛 ↘

「ストレッチャーで体を伸ばしたまま入浴」できる浴室

〈9689〉

「子どものバリアフリー」のご依頼は、子どもさんの成長に合わせて頂いています。このお住まいのご両親さんから、『ストレッチャーで体を伸ばしたまま、入浴させたい』とご要望を頂き、浴室から寝室までの経路をバリアフリーリフォームしました。浴室と寝室間の移動は、ストレッチャーで床移動し、浴室の天井には、「面移動できる、つり下げ浴室リフト」を取り付けました。

「ストレッチャーで体を伸ばしたまま入浴」できる浴室

住まいてさんは当初、この家を建てた建築会社に、このようなバリアフリーリフォームを依頼したそうですが、「そのような施工はできない」と断られてしまったそうです。当時、私が書いていた、バリアフリーの連載記事を目にして、ご依頼頂いたのですが、私の場合、実際にお会する前に「文章」が初対面になっているようです(2018.04.27)

2018.04.27

このお住まいは東西に細長い間取りで、東西の両端が浴室と寝室です。ストレッチャーは折りたたみ式で、キャスターが付いていますので、寝室から浴室までの移動にも、利用することになりました。

ですがその途中、狭い廊下を通り抜けなくてはなりませんでした。

『ストレッチャーで体を伸ばしたまま、入浴させたい』面移動できる浴室リフト

ストレッチャーが、ドアのレバーハンドルにぶつからないように、作り替えたドアは、レバーハンドルの高さを120cmにしました。

寝室にはベッドがあり、ストレッチャーからベッドへの移乗も、浴室同様の、天井リフトを設置しています。

『ストレッチャーで体を伸ばしたまま、入浴させたい』面移動できる浴室リフト

以前の浴室のドアは折れ戸で開口幅は狭く、ストレッチャーでの出入りは、できませんでした。新しく浴室に隣接するキッチンに、3枚引き戸を造り、キッチンからも浴室に出入りできるようにし、入浴動線に組み込みました。

『ストレッチャーで体を伸ばしたまま、入浴させたい』面移動できる浴室リフト

浴室の天井には、「面移動できる、つり下げリフト」を取り付けました。水平移動は「手動」で自在に動き、上下移動は「電動」で昇降します。

縦横自在に動くことで、介助者の場所が自由になることがメリットです。

『ストレッチャーで体を伸ばしたまま、入浴させたい』面移動できる浴室リフト

入浴の手順は、ストレッチャーで洗い場に入り、体を洗ってあげます。体を洗い終えると、ストレッチャーをつり上げ、浴槽へと入ります。

浴槽は内側にでっぱりのない、すとんとした形のシンプルなものです。ストレッチャーの長さに合わせた、「特注製作」のステンレス浴槽です。

『ストレッチャーで体を伸ばしたまま、入浴させたい』面移動できる浴室リフト

子どもさんを、ストレッチャーに寝かせた状態で、体を洗ってあげます。長い時間、腰をかがめての介助は、介助者の負担になってしまいます。ストレッチャーの高さは、洗いやすいように高めになっています。

『ストレッチャーで体を伸ばしたまま、入浴させたい』面移動できる浴室リフト

ストレッチャーを浴槽の縁まで、下げた状態です。リフトから外します。足は左奥側、頭が右手前側です。頭を浴槽のへりに置いたまま、足から浴槽へと下ろしていきます。

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