「座位で入浴する可搬式浴槽」のシャワー室
〈9680〉
https://anity.ootaki.info/9680/
『体の大きくなった子どもさんを、シャワーだけではなく、湯船にもつからせてあげたい』と、住まいてさんから、シャワー室のご依頼をいただきました。車いすユーザーの子どもさんは、天井リフトが苦手なようでした。そこで、寝室の脇にあった納戸を、タイル貼りのシャワー室にリフォームし、「座位で入浴する可搬式浴槽」を置くことになりました。
現在、この可搬式浴槽はモデルチェンジし、浴槽には正面からではなく、側面から出入りするようになりました。開発したメーカーの方に怒られそうですが、未来的なというのか、はたまた昭和的というのか、不思議な浴槽なのでした(2018.5.10)
2018.05.10
寝室からシャワー室へは、3枚引き戸から出入りします。
左側の木製の折れ戸は、廊下につながり、その先は洗面室です。
寝室から近い位置に、水回りスペースをまとめました。
シャワー室は広くして、廊下からもシャワー室へ直接出入りができ、
「2人介助」での介助入浴が、しやすいようにしました。
「座位で入浴する可搬式浴槽」を置きました。
主に施設で利用される浴槽で、住宅での利用は『まれ』とのことでした。
この浴槽は、正面の斜めの部分が、開閉する扉になっています。
跳ね上げるように扉を開けて、手すりの付いた座面を前面に引き出します。
外見はコンパクトですが、足元にはゆったりしたスペースがあります。
子どもさんが座った後、座面を元の場所まで戻し、扉を閉めます。
シャワーを体にあてながら、浴槽にお湯をはっていきます。
できるだけ早く浴槽のお湯で満たせるように、2組のシャワーを使います。
しばし、のんびりと湯船につかってもらいます... 。
介助入浴のしやすいシャワー室の理想型は、浴槽の左右や背中側に、介助するスペースがあること。そのためには、3帖程のスペースが必要でした。
このシャワー室は、左右からふたりの介助者がシャワーをあてられます。
快適に入浴するためには、部屋を暖かくすることが大切です。
シャワー室は広くなると、暖まりにくくなってしまいます。
遠赤外線暖房機を、浴槽の上あたりの壁に取り付けました。
浴室3枚引き戸のすぐ脇に、タオルなどを置ける棚をつくり、その下には、
床置きの温水暖房機を設置して、足元から暖かくなるようにしました。
入浴後は廊下を通らずに、すぐにベッドに戻ってこれます。
ベッドに腰掛けてもらい、ゆっくりと着替えてもらえます。
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