初めての個室、クローゼットには宝物がいっぱい
〈9679〉
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『オオタキさん、ちょっときて』とお兄ちゃんが、2階の寝室に私を連れて行きました。クローゼットの床一面には、大切な宝物が並べられていました。私は子どもさんから、住まいの感想を聞かせてもらうのが好きです。どのひとつもお兄ちゃんには、なくてはならないものなのでしょう。私も40年以上も前の記憶を思い起こしながら、お兄ちゃんの宝物の説明を聞きました。
このお住まいは延べ面積は40坪ほど、1階だけでも間に合いそうとのお話があるくらい、住み始めると大きく感じるそうです。実はこのお住まい、「家相」を大切にして設計しました。いい家相の家は、特にこの家で成長する子どもさんに、いいことがあるそうです(2018.05.11)
2018.05.11
東京から、この狭山市へと引越したのは、私が小学校6年生の12月でした。
兄弟一緒の部屋だったにしろ、自分の部屋が持てたことは嬉しくて、
引っ越した次の日に弟と一緒に、部屋中にポスターをびっしりと貼り、
すぐに母に『半分までにしなさい』と言われ、剥がしたのですが、
それだけ舞い上がってしまうほど、嬉しかったのでした。
そして、私の宝物といえば、この『プラレール』でした。
とりわけ私は、自分が工作する余地がある、おもちゃが好きでした。
当時の茶の間の床一面に、様々な形のレールを敷き並べていき、
私が「都市計画」をした街の中を、短い編成の列車が走るのでした。
クレヨンと想像力。
想像力とは、つまり、ものの形を思い浮かべる感性のことだ。
子供にとって、これは幸福の足し算である。
クレヨン、この素晴らしきもの、と言わずにはいられない。
それ自体は何というほどのこともないものでしかない。
が、これに想像力が加わると世界は一変する。
ロバート・フルガム『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』河出書房新社 1990
さて、この住まいは、子どもさんたちにこの先、
どんな体験させてくれるのでしょうか。
子どもさんたちに、私から何かプレゼントをするとしたら、
私は、この『想像力』をプレゼントしたいです。
子どもさんたちの背中を、そっと押してあげるような、
そんな『想像力』をです。
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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
有限会社 大滝建築事務所 代表
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