表計算ソフトを利用して、ゆらいだ多角形をつくりだした本棚
〈9667〉
https://anity.ootaki.info/9667/
新しい園舎ができ上がるまで、ホールの一部を「仮設保育室」にすることになりました。園児用のロッカーを兼ねた、パーティションのような本棚です。上段は、子どもさんたちの作品が並ぶ、楽しい飾り棚なのですが、そんな作品の背景にふさわしい背板をと考えました。ここは、たくさんの樹木に囲まれた幼稚園です。「樹の葉が風にゆらぐように」と、自然な隙間を作りたかったのですが、その『自然な隙間』が難くて... 。
ネコバスの停留所にもなっているようですね。入園式も、ここで行われました(2018.06.01)
2018.06.01
この部分が、この「保育室」の入り口になります。
大人は、くぐらないと入れない高さです。
幅120cmの本棚を、6組、連結させました。
ひとつの本棚は、正方形のマスの組み合わせです。
横が3マス、縦が5マスに相当し、5 / 3 = 1.667
「黄金比」の1.618、の近似値になっています。
入り口まで含めた全体の様子です。
さて、背板です。
下段はロッカーとして使うので、すべて背板でふさぎました。
入り口の周りは「山型」となるように、背板を貼りました。
本棚の上部に固定する背板は、不揃いな多角形になっています。
それぞれの本棚は同じ形ですが、この不揃いの多角形の背板を、
「不揃いにする」って、意外と難しいのです。
どうしても、自分の感情が入ってしまうからです。そこで、
自分の感情を混ぜないように、表計算ソフトで4桁の乱数を発生させ、
その数値を「上辺、右辺、下辺、左辺」に、割り当てた多角形にしました。
実は、その作図している時の『体験』が面白くて、
「表」を見ながら作図する私は、「俺なら、こうしないよ... 」と、
できあがる多角形を見て、ズレを感じるのです。
ですが、この『ズレ』こそが、
「自然な隙間にする」「不揃いにする」ことに、他ならなかったのです。
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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)
有限会社 大滝建築事務所 代表
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