「介助あり」x「立っていられる」なら、狭いトイレがいい
〈9657〉
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バリアフリー住宅でのトイレといえば、通常のトイレの倍の広さとなる、「2帖」を確保するようにしています。これは、車いすでの便器への乗り移りや、トイレ内で回転できるようにとのことからです。ですが、「大は小を兼ねる」とはいいきれず、狭い方がいいこともあるのです。それは立っていて「ふらっ」とした時に、広いスペースだと床に転倒してしまいますが、狭いスペースならば、転倒する前に壁に手を付くことができるからです。
このトイレは、LDKと寝室とを通り抜ける位置にあり、正面の引き戸の向こう側は、ダイニングテーブルの真後ろになります。手すりは、床固定型にしました。床のお掃除がしにくくなるものの、手すりの位置が体に近くなるので、便器から立ち上がりやすくなります(2018.06.22)
2018.06.22
そもそも、トイレのバリアフリー、大きく「4パターン」に分けられます。
• 「自分ひとりで」x「立っていられる」
• 「自分ひとりで」x「立っていられない」
• 「介助あり」x「立っていられる」
• 「介助あり」x「立っていられない」
この住まいてさんは、「介助あり」x「立っていられる」の方でした。その場合は、このトイレのような「狭いトイレ」の方がいいと考えました。
また、トイレまでの動線が短くなるように、住まいてさんが普段、過ごしているダイニングテーブルの真後ろに、このトイレがあります。
引き戸を開ければ、このトイレが丸見えになりますが、何よりも、トイレの行きたいと思った時に、すぐに行けることを優先したのです。
手洗い器を覆うような、ステンレス製の頑丈な手すりを取り付けました。「H型」手すりは手を洗う時だけでなく、便器から立ち上がる時も重宝です。
ですが、本当に「狭いトイレでいいのでしょうか。将来、身体状況が変わり、広いトイレの方がよくなることも、ないとはいえません。そこで、考えました。
便器背面の壁と、便器の左側面の壁は、取り壊せる間仕切り壁にして、この2面の壁を撤去すれば、このトイレは寝室と一体にできます。
バリアフリーは、次の一手を考えておくことが、大切なようです。
住まいてさんは、少し前に、猫ちゃんをお迎えすることになりました。すると、困ったことになりました。トイレで遊んでしまうというのです。
猫ちゃんのいたずらを、何とかしたいとのことでした。この住まいてさんには、バリアフリーの配慮をしたのですが、一方、猫ちゃんに対しては、「バリア」をつくることになりました。
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