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遊びについて4つの要素「遊びと人間」より

〈9628〉

「子どもの仕事は遊ぶことだからね」と、優しく私に言ってくれたのは誰だったのか、ずいぶんと昔のことなので、思い出せないのですが、私がその人が大好きだったのは、はっきりと覚えています。思えば野球や将棋を始めとした、私の小学生の頃の遊びは、現在の私に影響を与えているようです。それは、運動能力や知的能力を競ったことの「勝ち負け」ではなく、「人生の態度」ともいうべきものにです。

遊びについて4つの要素「遊びと人間」より

子どもさんたちが楽しそうに、チョークを手にする様子が眼に浮かぶようです。私の子どもの頃からある遊びです。そう言えば我が家でも、畳の縁しか歩けない鬼ごっこを「線を歩く」と名付け、夕食後の日課でしたっけ( 2018.09.05)

2019.05.02

「子どもの頃は、こんな遊びをしていたっけ」と、懐かしむのと同時に、「遊びはなぜ、何十年も続いていくのだろう」とも思いました。 私が幼稚園や小学生の頃と同じ遊びが、今でも続いているのです。遊び。遊びって何だろう。考えると不思議ですね。

遊びについて、フランスの社会学者、ロジェ・カイヨワが書いた、なぜ人間は遊ぶのか、遊びの本質を追究した哲学書です。ただ文体が古い(1958年)からなのか、とても読むのが辛い本でした。

カイヨワは、遊びを4つの要素に分類しています。どの遊びも、このいずれか、あるいは複数に当てはまるというのです。

• 1. 競争(アゴン)

• 2. 偶然(アレア)

• 3. 模擬(ミミクリ)

• 4. 眩暈(イリンクス)

1. 競争(アゴン)

• 勝利という価値を得るために、相手と競い合って遊ぶこと

• サッカー、チェスなど、ほとんどの遊びはこれに属する

• 自分の練習、努力を頼りにする、その結果が反映される

2. 偶然(アレア)

• ルーレット、すごろくなど、賭けて遊ぶこと

• 自分の努力とは無関係、運命に身を委ねるしかない

• 相手に勝つのではなく運命に勝つために、自分以外の外部の兆候を頼りにする

• 偶然は、人間だけの遊びで、動物にはないもの

3. 模擬(ミミクリ)

• 何かを演じて遊ぶこと、他者になる、他者であるかに思わせる

• 俳優やタレント、飛行機や機関車のまねをする

• 架空の人物となり、それにふさわしい行動をする

• 自己を他者とすることにより、自分の世界から脱出する

4. 眩暈(イリンクス)

• 混乱を楽しむこと

• すべり台、ブランコ、ジェットコースター、お化け屋敷

• ぐるぐる回ったり、急速な回転落下など、一時的な知覚の安定を破壊する

• 遊園地などで、長時間待たされてでも、楽しみたい眩暈

遊びが人生に不可欠の資質を鍛錬する場でもあるということから、「子どもの仕事は遊ぶことである」といわれることが多いように、子どもの発達に特に重要な意味をもっている。

運動能力や知的能力を競うことで、これらの能力が発達していくと同時に、闘争本能も磨かれる。

その一方で「勝っておごらず、負けて悔やまず」という、おおらかな人生態度も学ばなければならない。

そしてまた、多くの遊びには大なり小なりのルールがあるので、ルールにしたがうフェアプレイの精神が培われ、ルールがあるからこそ、社会が成り立っていることを知らなければならない。

遊び - Wikipedia

人間の全ての活動は、実は「遊び」から、発しているようです。子どもの頃の遊びは、その後、大人となって社会へと出た時に、立ち向かうことになる苦難と、対峙する時にも役立つそうです。

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