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大瀧雅寛 ↘

手入れの行き届いた美しい庭と、レンガのスロープ

〈9622〉

『車いすに乗ることになった主人のために、スロープを作りたい』と、奥様からのご依頼でした。手入れの行き届いた美しい庭に驚きました。この庭を見渡すと、丹精こめて手入れをしている、奥様の気持ちが伝わってきて、この庭を楽しめるスロープがふさわしいと、直感しました。

手入れの行き届いた美しい庭と、レンガのスロープ

スロープで、庭からアプローチし、掃き出し窓を出入り口にしました。車いす対応のバリアフリーリフォームでした(2018.09.12)

2018.09.12

車いす対応のバリアフリーリフォームは、どこから出入りするのかが、重要なポイントになります。まずは、玄関からなのですが、玄関から車いすで出入りするというのは、現実的には難しいものです。というのも玄関には、敷居の段差と上がり框の段差があるからです。

手入れの行き届いた美しい庭と、レンガのスロープ

このお住まいもその段差があり、玄関からの出入りは困難でした。そこで、玄関以外の出入り口として、居間や寝室の掃き出し窓から、出入りすることになり、門からの長いスロープで結ぶことにしました。

手入れの行き届いた美しい庭と、レンガのスロープ

手入れの行き届いた、美しい庭の中心には、鯉が泳ぐ池があります。その池の脇を、弧を描くようのスロープを作ることになりました。窓に接する部分は、バルコニーが屋根代わりになるウッドデッキです。気軽に出入りできる縁側の様なウッドデッキ、室内と一体に感じます。

手入れの行き届いた美しい庭と、レンガのスロープ

奥様が丹精こめて手入れをしている庭を、居間からでも楽しめます。スロープやデッキは、単なる段差を解消するための機能だけではなく、毎日の暮らしを楽しくしてくれる、大切な役割りも担っています。


もうひとつ、大切な役割りがありました。このスロープが、「地域とのつながり」を、つくり出してくれることでした。

手入れの行き届いた美しい庭と、レンガのスロープ

『誘われる庭があるからこそ、外に出ようとする気持ちになった』と、ご近所の散歩や大好きな図書館にも、ここから出かけて行くそうです。

手入れの行き届いた美しい庭と、レンガのスロープ

『このスロープを使って庭へ、そして外へと出ていくことが、毎日のリハビリになり、より前向きにもなれた』、とのことでした。

手入れの行き届いた美しい庭と、レンガのスロープ

住宅の出入りを考えるときは、家に入る視点だけではなく、外に出るという視点も大切にするということを、私は教わりました。

手入れの行き届いた美しい庭と、レンガのスロープ

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