賃貸マンションの広いトイレを、お座敷トイレに
〈9613〉
https://anity.ootaki.info/9613/
洗面台も一緒になっている広いトイレを、「お座敷トイレ」として利用する、バリアフリーリフォームです。賃貸マンションなので、車いすで使いやすい便器に取り替えると、退去時には元に戻さなくてはならないので、既存の便器を利用し、移乗台を設置することになりました。
バリアフリーな賃貸マンション改修です。洗面室を兼ねた広いトイレに、移乗台を設置しました( 2018.09.26)
2019.04.26
何よりも大切だったことは、「マンション選び」でした。
エントランスからマンション住戸まで、段差がないマンションは多くなりましたが、このトイレの様に、トイレの広いマンションは、とても少ないからです。
既存の便器の便座高さは42cm、車いすの座面高さは50cmです。便座高さと車いすの座面高さを揃えるために、「便器 → 補高便座 → ウオシュレット → やわらか便座」と重ねました。
・便座を外した時の便器の高さ:37cm
・「補高便座」でかさ上げ:5cm
・「ウオシュレット」の厚み:4cm
・「やわらか便座」の厚み:3cm
合計で 49cmとなり、便座高さと車いすの高さとが揃いました。
移乗台表面は、クッション入りのレザー貼りにしました。
移乗台は3分割にして、下部を掃除しやすくしました。
便器の曲線に合わせた移乗台を、便器の左右に設置します。
脚を「ハの字」に開いて、長い時間でもトイレに座れる様になりました。移乗する時は、切り欠きの部分に車いすで直角に近づきたいので、洗面台の前には回転スペースが必要です。このトイレが最低限のスペースで、何度も切り返す必要があるそうです。
移乗台の切り欠きの役割は、車いすのフレームがぶつからない様にするためです。移乗台と車いす座面とに隙間ができてしまうと、オシリが落ちてしまいます。この切り欠きにより、移乗台と車いす座面をピタリと付けられるので、隙間ができません。
切り欠きの下部には脚を立てず、車いすのフットレストがぶつからない様にしました。移乗台の表面は、汚れが染み込みにくく、水拭きがしやすい、レザー貼りにしました。長時間座るのでクッションを入れ、柔らかくしました。柔らかいと滑りにくくなりがちですが、靴下を履くと、かかとが滑りやすいそうです。
「ウオシュレット」は、オシリに刺激を与えるので、出やすくなるそうです。30分から1時間ほど座ることになるので、オシリにやさしくする様に、「やわらか便座」を置きました。
タンクの洗浄レバーには手が届かないので、リモコンの上端のスイッチで、大小の便器洗浄ができます。
便器の位置で、ズボンや下着に脱ぎ着をする際、壁に取り付けた手すりを利用して、体を傾けることができます。また前屈しすぎてしまい、頭が上がらなくなった時は、手すりの上に頭を載せると、起き上がれるそうです。
移乗台を設置すると、通常の様に便器に腰掛けることができません。以前、可動式の移乗台を作ったことがありました。
移乗台の向かい側は、ユニットバスになっています。ユニットバスの床、全面も移乗台でかさ上げしました。
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