背もたれ付き入浴台を、ユニットバス全面に・1
〈9611〉
https://anity.ootaki.info/9611/
車いすユーザーから入浴のご要望をお聞きする時は、「浴槽に入りたい」のか、「シャワー浴だけでいい」のかを、お尋ねすることから始まります。この住まいてさんは、「浴槽には入らず、シャワー浴だけでいいので、脚を伸ばしてゆったりと入浴したい」とのことでした。
このお住まいのマンションリフォームは、浴室の全面に、入浴台を設置しました( 2018.10.01)
2019.04.26
標準的なユニットバスよりやや大きな、1317タイプ(130cm × 170cm)でした。
水栓は洗い場と浴槽の2ヶ所ありました。洗い場側の水栓は、移乗台にぶつかるので撤去し、浴槽側の水栓を、浴槽側のシャワーのみを利用します。
洗い場だけに入浴台を造り、浴槽はそのままにする方法もありますが、浴槽があると、洗い場から浴槽に転落してしまうことがあり危険です。入浴台は浴室全面となる様に、洗い場だけでなく浴槽の上にも設置しました。
また、背もたれに寄りかかり、両足を「ハの字」に開いて、姿勢を安定させるためには、洗い場だけの入浴台では足りませんでした。
背もたれは壁に固定するのではなく、入浴台から立ち上がります。壁に取り付けてある既存の手すりと、干渉しない様にしました。
背もたれと壁との隙間を、12cmとっています。背もたれの上から、壁との隙間に腕を落とし、背もたれに、体を引き寄せるためです。
洗い場のシャワー水栓が、都合よく手元の位置となりました。
シャワー水栓は、吐水ハンドルが大きいものに交換しました。吐水止水は指だけでなく、手のひら全体で操作できます。
シャワーヘッドは手元で一時停止ができる、クリックタイプです。
入浴台は7分割にしました。左側の3組は、浴槽の上に設置した入浴、右側の4組は、洗い場の上に設置した入浴です。
洗い場の排水口は、掃除しやすくする様に、小さいな正方形の入浴台にしました。
車いすから入浴台に、移乗しやすくする工夫も必要です。入浴台の高さを、車いすの座面の高さに合わせるだけでなく、車いすのフレームがぶつからない様に、切り欠きを入れました。
このお住まいの洗面室の中に、トイレもあります。ユニットバスの入口の向かい側が、そのトイレです。賃貸マンションなのですが、都合のいいレイアウトでした。
間取りの変更はできないので、マンション選びのポイントは、エントランス回りの行き来しやすさだけでなく、水回りのレイアウトも、大切なことでした。
使い始めてみて、住まいてさんから修正の要望をいただきました。
向かいのトイレ台です。
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