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大瀧雅寛 ↘

「2方向の避難ルートを確保する」寝室デッキと避難スロープ

〈9605〉

火災などの緊急時に、住宅内部から外部へと避難できるルートを、玄関以外にもう1個所、確保するようにしています。避難ルートは重複しないように、玄関から離れた位置が理想です。また、寝室を避難ルートにすれば、ベッドに就寝中でもすぐに避難できます。

「2方向の避難ルートを確保する」寝室デッキと避難スロープ

特にバリアフリー住宅では、緊急時に安全に避難できることが大切です。寝室前のデッキから、多角形の外壁をなぞる様なスロープが、このお住まいの避難ルートです(2018.10.07)

2018.10.07

「2方向の避難ルートを確保する」寝室デッキと避難スロープ

このお住まいは、木造の平屋建てです。道路面から1階床までの高低差が、80cmほどあります。南道路の門扉から入ると、2方向のスロープに分かれます。左に続くのは玄関ポーチに続く、緩いスロープです。右に続く狭いスロープが、寝室前のデッキにつながる避難スロープです。

「2方向の避難ルートを確保する」寝室デッキと避難スロープ

いわゆるバリアフリー法による、公共施設などの屋外スロープの勾配は、1/15(約4度)です。対して、このスロープの勾配は、1/11(約5度)。1mの高さを、11mで上がる勾配です。

「2方向の避難ルートを確保する」寝室デッキと避難スロープ

「80cmの高低差」を門扉から玄関ボーチへと続く、長さ9mのスロープで行き来します。この勾配を「緩い」ととるか、「きつい」ととるかは、住まいてさんにより異なります。なので、工事中に仮設スロープを製作し、勾配を決定しました。

「2方向の避難ルートを確保する」寝室デッキと避難スロープ

寝室の掃き出し窓のデッキにつながる「避難スロープ」は、頻繁に昇ることを想定しない、「きつい」勾配です。コンパクトにすることを、優先したからです。

「2方向の避難ルートを確保する」寝室デッキと避難スロープ

ですが避難スロープにより、この火災などの緊急時に、「寝室の掃き出し窓 → デッキ → スロープ → 道路」と、すぐに避難できる「避難ルート」ができました。

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