トイレチェアーでの利用を想定した、リビング内トイレ
〈9572〉
https://anity.ootaki.info/9572/
自分でではなく介助でのトイレをする場合、便器に直接座らずにトイレチェアーを利用する方法があります。トイレチェアーに寄りかかっただけでは、姿勢を保つことが心配なため、持ち運べる机を前に置くことになりました。「トイレを居室としてしつらえる」ことも大切にしました。長時間、トイレにいる方にとっては、なおさらのことと思うのです。
トイレの設計をする時に、このお住まいのトイレは、「水回り空間」としてではなく、「居心地のよい居室」として捉え、長い時間トイレにいても、居心地がいいようにと願いました( 2018.10.15)
2019.08.24
トイレは2帖ほどあります。汚物流しも取り付けました。汚物流しが左側、便器が右側となるレイアウトにしたのは、汚物流しを左側にした方が、右手で使いやすいからです。
洋風便器は、通常のタンクレス便器です。便座の上にトイレチェアーを、重ねる様に利用します。トイレチェアーで使うことを想定していたので、便器はかさ上げはしませんでした。
タンクがある便器ではトイレチェアーの背もたれがぶつかってしまいます。トイレチェアーの座面は、柔らかいものに取り替えました。
長い時間トイレにいても、快適に過ごせるアイディアを考えました。簡単な机ですが、読書したり必要なものを置くことができ、座位を保つためにも、役に立つとのことでした。
トイレの入口は、3枚引き戸にしました。3枚引き戸のメリットは、開口幅が広くなるだけでなく、どちら側でも開けられることです。洋風便器を使う時は右側を開けて、トイレチェアに乗り、背中側から入っていきます。
一方、汚物流しを使いたい時は左側を開けて、汚物流しと洋風便器との間に、車いすで正面から入ります。
実はこのトイレ、LDKの端、キッチンの脇にあります。やや極端ではありますが、トイレにすぐに行けるということは、リビングでの居心地の良さに、つながっていく様です。3枚引き戸を閉めると、トイレと感じさせない様にしました。
https://anity.ootaki.info/9572/