太陽電池モジュールを利用した、バッテリー充電の実験回路
〈9551〉
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住宅の建て替えに先立ち、解体工事をする現場から、太陽電池モジュールを引き上げました。公称最大出力:126W、当時としては大型のモジュールです。処分するのも惜しく、使い道をと考えたところ、車に載せる様な12Vバッテリーの、充電回路の実験をすることにしました。
私は小学生の頃からの、ラジオ少年です。当時住んでいた保谷市(現在の西東京市)から、月に何度も秋葉原に買い出しに行っていました(2018.11.04)
2018.11.04
この度、入手した太陽電池モジュール、「 MITSUBISHI 太陽電池モジュール PV-MR101 」です。
大きさは1275 x 850、重量は13kgで、後部座席に何とか入る大きさですが、ひとは乗れなくなってしまいます。
太陽電池モジュールが発電する電圧は変動しますが、19Vほどの電圧です。12Vバッテリーの充電電圧は14Vほどなので、5Vほど高すぎてしまいます。
入力電圧に左右されないで出力電圧を一定にできる、定電圧電源キットを改造しようと思いました。
目をつけたのが秋月電子通商の組み立てキット、「実験室用 定電圧安定化電源キット(パワートランジスタ仕様)」です。(通販コードはK-00202)
このキットの概要は、入力電圧:DC 12~35V、出力電圧:DC 0V~30V、最大電流:10A。
1,500円と安価で、部品を個別に揃えるならもっと高価になるでしょう。
部品数がそれほど多くないので、作りやすいキットです。迷った部品は2種類のセラミックコンデンサでしょうか。
青の「104」は0.1μF、茶色の「102」は1000pFです。この手の文字が肉眼では読めなくなり、手元のデジカメで撮影して確認します。
ツェナーダイオードは「12」の表記があるものです。12Vの定電圧ダイオードです。
TR2の2SD2012は取り付ける面を迷いましたが、印字面が基板の外に向くようにして、実体配線図に従いました。
基板の大きさは、75mm x 95mmです。
このキットはトランスからの入力を前提としたものですので、太陽電池モジュールからの入力にするために、いくつかの改造が必要です。
その改造以外にも、ネットを検索していたら、とても大切な情報をみつけました。「TR4のEとCが逆なのでは」というものです。
ソーラー発電の実験と製作,(三菱電機製最大出力126Wのソーラーパネルを使用)
私もTR4のEとCを入れ替えることにしました。基板上での改造箇所です。
・パターンを3箇所カット(赤のXの箇所)
・空中配線を4箇所追加(青線の部分)
・電源制限回路をなくす( VR1, R4, R7, R8 は取り付けない)
・2SC5200のエミッターから基板へは「+OUT」に接続
ふたつの2SC5200とエミッターに接続するセメント抵抗は、基板上ではなくヒートシンクの上に別置きします。
基板を見ると、 VR1, R4, R7, R8 を取り付けていないのがわかります。
発電していない時にバッテリーから回路へ逆流しないように、逆流防止ダイオードが必要になります。
5A以上流れるとかなりの発熱がありますので、入手しにくいのですが、このキットに入っていた整流用シリコンダイオード・ブリッジを利用できそうです。
基板の「+OUT」から、ふたつの「〜」端子に接続し、「+」端子をバッテリー側にします。「−」端子は使いません。
穴あけが楽なように、おかずをいれるようなタッパーをケースにしました。ヒートシンクも入れてしまいましたので、使用するときはふたを外します。
整流用シリコンダイオード・ブリッジのヒートシンクは、ホームセンターで入手した棚受け用の金物です。
半固定抵抗のVR2で出力電圧の調整ができます。反時計方向に回しきると0V 、時計方向に回しきると最高電圧になり、入力電圧から3V - 4Vほど下がった電圧になります。
システムの全容です。太陽電池モジュール、実験回路の他に、手持ちの12Vバッテリーとテスターを用意しました。この12Vバッテリーの容量は22Ahです。 一般的にバッテリーにやさしい充電電流は、容量の1/10なので、2A位で充電したいところです。
実験回路の出力はワニグチクリップとアダプターの2系統あり、12Vを利用する電気機器やテスターを、簡単につなげられる様にしました。
カーポートに出て、実際に運用してみましょう。
MITSUBISHI 太陽電池モジュール PV-MR101大きさ:1275 x 850、重量:13kg
公称最大出力:126W、公称開放電圧:24.1V、公称短絡電流:7.12A
公称最大出力動作電圧:19.2V、公称最大出力動作電流:6.56V
2010年8月16日、立っているだけで汗が出るような猛暑日の午前11時です。
日差しが強く、よく発電しそうですが熱で発電するのではなく、真夏の場合は逆に暑さのために発電効率が落ちてしまいます。この状況での無負荷の電圧は、20.8Vです。
VR2を時計回りにいっぱいまで回し、出力電圧を一番高くした状態です。この実験回路を通ると18.2Vになりました。
逆にVR2を反時計回りに回していくと、出力電圧が下がっていきます。使用するバッテリーの充電電圧に合わせてから、バッテリーを接続します。一般的な12Vバッテリーの充電電圧は13.8Vです。
バッテリーを接続すると、さらに電圧が下がります。バッテリーに残っていた容量によりますが、今回はバッテリーの電圧が13.1Vのとき、電流が1.1A流れています。
このバッテリーの充電電圧は、サイクルユースで14.4 - 15.0V、スタンバイユース:13.5 - 13.8Vです。
太陽電池モジュールの最大電流は6.6Aですが、充電電流は2A以内に抑えられています。
バッテリーの過充電は爆発する可能性があり大変危険です。
この実験回路は、まだ運用実績が少なく、今後、運用を続け問題点を探そうと思っています。
この実験回路を制作する方は、自己責任でお願いいたします。
この実験回路について、みなさまのご指摘がありましたら、ぜひお願いします。
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