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段差リフトのフラップを、操作しやすくする工夫

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車いすユーザーの子どもさんのために、玄関段差を昇降しやすくするリフォームをしたが、実際に使ってもらうと問題が発生した。「フラップの操作レバーが重たく、使いにくい」とのこと、使いやすくするための工夫が必要となった。フラップの操作レバーとは、段差リフトの天板から立ち上がるレバー。

段差リフトのフラップを、操作しやすくする工夫

#子どものためのバリアフリー #アクセシブル #置き階段と段差リフト

2024.12.26

段差リフトのフラップを、操作しやすくする工夫

玄関引き戸の敷居をカーポート面まで低く取り付けたので、結果、土間面と床面までの段差の高さは「82cm」にもなる。置き階段と段差リフトを設置し、この段差を昇降することにした。これほどの高さを昇降するためには、3帖ほどの玄関土間が必要だった。

段差リフトのフラップを、操作しやすくする工夫

リフト天板の先端にはフラップが付いている。フラップとは、リフトと玄関土間との隙間をまたぐための開閉板のこと。この隙間をまたぐことがフラップの役割だが、昇降する際の車いすキャスターのストッパーとして、安心感を持ってもらう意味もある。なので、昇降高さが60cmを超える場合は必須のものだ。

段差リフトのフラップを、操作しやすくする工夫

リフトの昇降は電動だが、フラップの操作レバーは手動で操作する。リフト天板から立ち上が操作レバーを左側に倒すと、フラップが持ち上がるのだが、子どもさんに実際に使ってもらうと、このフラップの操作が重く感じるのとのことだった。

段差リフトのフラップを、操作しやすくする工夫

まずは操作レバーを長いものに変更したところ、以前よりは軽く操作できる様になったものの、「もう少し軽くできないか」とのこと。さらなる工夫が必要だった。

段差リフトのフラップを、操作しやすくする工夫

そこで、フラップとは反対の方向(向かって左側)に、バネで引っ張ることにより、フラップの重さとバランスさせることにした。操作レバーを操作する力は「0.5kg」まで軽くすることができた。「とても使いやすくなった!」とのこと、これなら安心して使ってもらえそうだ。安心した。

段差リフトのフラップを、操作しやすくする工夫

操作レバーを長いものに取り替え、支点から距離を離すとは、てこの応用だ。フラップと反対の方向にバネで引っ張ればいいとは、誰もが想像できることだろう。だが、実際に現場でそれを考え、改善点を見い出し実現させる。よりよく作り上げる力、「現場力」とでもいえばいいのか、このような力こそ今の時代こそ必要なことと思う。

段差リフトのフラップを、操作しやすくする工夫

よりよく作り上げる力「現場力」、いうほど簡単ではないが、これを私一人で完結する必要はない。それぞれの分野に特化した専門家たちと協働すればいい。さて、技術のない私の専門分野とは何だろう。それは、使うひとたちから要望を聞くだけでなく、隠れたニーズを引き出すことなのだろう。

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大瀧雅寛 (おおたきまさひろ)

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